出先からあわてて帰り


ひととおり家事を終えた日没後


熱々のコーヒー片手にこたつに陣取り


本をぱらぱらとめくるにつれ重くなるまぶた



ああ、ちょっとだけ、横になっちゃってもいいよね


ぐっすり眠れたら気持ちいいだろうな



すっかり誘惑に取り込まれ、温かいこたつにもぐりこむ



もう少しで荷物が届くから寝ちゃだめだめ!



心は睡魔に囚われた私をたしなめにかかるのに


抗えずうつらうつら、疲労を開放する眠りをむさぼり始め


いつしか夢の中の人となる



・・・・・・ピンポーン



思わず飛び起き辺りを見れば


こうこうと光る電灯の下で放り出された本が


すべて見てましたよ、とばかりに皮肉を言う



もうちょっと寝たかったのに



恨み言一つ、髪を整えながら向かう玄関に


寒い中お仕事をがんばる配達員さんが待っていた