秋風が遊ぶ空間に体を滑り込ませれば


そこは異次元の世界


秋枯れの風景は時を止めたように静寂に包まれ


木々の枝につなぎとめられた枯葉が


一つまた一つ


ゆらりゆらりと漂いながら


風とたわむれ舞い続ける


落ち行く木の葉は地面への短い旅のことなど忘れ


地球のことわりなど意に介さず


最後の時をゆっくりと楽しみながらゼロに戻っていく


時間のない空間を


木の葉のようにスローモーションで通り抜けたら


その先にはいつもの私の世界が広がっていた