親孝行って、親のためじゃないんだね。


それじゃ親孝行って誰のためにするんだろう。


多分自分のためにするんだね。


親は孝行息子や娘を望んでいるわけじゃない。


愛しい我が子が元気で幸せに暮らしていること、


自分の足で立ち歩き、新しい絆を結び一人前に生きていること、


そんなささやかなことで十分なのかもしれない。


家族の中ではぐくまれた沢山の思い出がコロコロと種になって


再び芽吹くのを楽しんでいるだけなのかもしれない。


そこに欲目はなく、ただただ無条件の親の愛があるだけなんだね。


結局親孝行であったと思いたいのは自分であって、他の誰でもないんだね。


表面だけしか見ていない他の誰かに評価してもらって


自分の一生の中に占める責任部分のお墨付きを


安易に自分以外の人に委ねて、安心したかっただけなのかな。


そう、ただ子供としてうまくやったと、言われたかっただけ。


だから、やっぱり親孝行は自分のためなんだね。


親孝行は人生の責任なんて勘違いだとやっとわかったよ。


親孝行のために利用する道具も方便も何も要らない。


私が私として生きること、意志と意図を持って人生を全うすることが


私と、そして私を生みはぐくんだ親への孝行になるのかもしれない