小さなからだを寄せ合って
くーくーすやすや眠るねこ
いつか迎えが来るかもしれないと
捨てられた場所をはなれられない
小さなからだと未熟な経験は
お互い離れずその場で待ち続けることを選び
鳴き声をあげては人のぬくもりを探し続ける
けれどほんの少しの記憶すら
時間とともにどんどん遠ざかり
置き去りにされた場所から少しずつ離れていく
つれて帰りたい気持ちを何とかなだめ
地域の人たちの世話で生きる子ねこの姿を
ただ見守るだけの無力感
このこたちは幸せなのか
幸せであって欲しい
人間の価値感でねこの気持ちははかれない
ここまで育てて捨てたであろう人と同じ過ちを
救いの手を出さず、見てみぬふりをしておかしている
ねこの幸せは人にもねこにもわからない
ひとつだけいえるのは、
小さないのちが懸命に生きる手助けを
必要とあらばするのが人と
そしてねこの幸せなありかたなのかもしれない