いつになく華やいだ気分で
南国風のドレスをまとい表に出れば
活気にあふれた街に歓声がこだまする
目玉のパレードはすでに始まっていて
橋は真ん中から途切れ
豊富な水をたたえた水路に道をあける
勇ましい姿を一目見ようと
人々は雛壇の見物席に群がり
今日の英雄に歓声を送る
お目当てのティラノザウルスは4人の人を乗せ
すでに橋を超え悠々と水の上を歩いていく
たまらずティラノザウルス~と声をかけると
くるりと頭をむけ遠くから私の呼びかけに応えて
再び雄雄しい姿で花道を進んでいく
いつのころか、人と恐竜は一緒に生き
お互いに意思疎通できていたのかな
人はもっと大きくて、今と違う文明がさかえていたのかしら
いや、人は大きさを自由に変えられたのかもしれないね
肉食陸上恐竜のティラノザウルスが
人を乗せて水上を歩くなんて考えられる?
恐竜がいなくなったのは、人がいなくなったからなのね