夏至を過ぎてそれでもなお遅い夕暮れ時
遠く響く子供たちの元気な声を背景に
台所の薄明るい中で本を楽しむ
ふと現実に心を戻せば
窓の外を聞きなれぬ鳥の声がこだましている
ちちち、ちちち、かちかちかち、ちちち
目を凝らせばそこにあるのは見慣れたすずめの姿だけ
その間にも
不思議な声は右に左に耳に入り込み
両目はその姿を捉えようと
日がある夕方のまだ明るい中をきょろきょろさまよう
すずめの近くにはそれよりほんの少し大きい
黄色い胸と灰色の服を着た尾が長い鳥が一羽
ともに遊んでいるのか
縄張り争いをしているのか
互いに緊張し距離を保ちながら飛び交っていく
時折緊張をほぐすために互いに留まり
白いフンをポトリポトリとペンキのように落としていく
あ~、犯人はヤツだったのか~
緑の屋根にはぺっとりと丸いペンキのしずくがそこここに落とされ
梅雨の晴れ間に雨で洗われた場所にしるしをつける
来年もまた現れてくれるのかな
フンはちょっと迷惑だけど
次にまたあえるときが来るといいなと
思いがけない出会いに喜びを覚えていた