曇りと霧の日が続くと
どこからともなく湿ったにおいが漂ってくる
開け放った薄暗い押入れから
ほのかにかびの気配がやってくる
どこを見ても姿はみえないけれど
かびのにおいは私のセンサーを刺激する
押入れの奥で密談中なのか
こっそり繁殖計画をたてているのか
人知れず菌糸を伸ばし胞子を飛ばそうとしているのか
先手必勝、空気の交換と除湿を試みるが
かびは後退しながらも着実に魔の手を伸ばす
負けてなるものか
梅雨の時期の静かな戦い
人間とかびとの生き残りをかけた競争と知恵くらべ
軍配やいかに?