春浅い頃


緑の衣を見せたタンポポは


やがて地を這うようにそこかしこに広がり


緑のじゅうたんを敷き詰めていく


やがて黄色い花の帽子をちょこんと載せると


地面を黄色の花柄じゅうたんに変えていく


花の首は日に日にどんどん伸びていき


風に揺れる黄色い花の魔法が夢のお花畑へといざなう


緑萌えライバル達がタンポポの成長に追いつく頃


いつしか目をひく黄色い帽子は白い綿毛の玉になる


綿毛は一つ一つ包みを抱え


風を受けては


大空へ羽ばたく時をいまかいまかと待ち構えている


地から出で空へ飛び立つタンポポは


知恵と勇気のシンボル