五月の田んぼは大きな一枚鏡


陽の光をキラキラと振りまきながら


ゆったりと空いく雲を映し出す


青い苗床を植えつける頃には


鳥が降り立ち


季節の境を前に憩いのときを過ごす


霧立ち込める寒い夜には


神出鬼没の蛙の合唱が繰り広げられ


梅雨を呼び込んでいる


苗が育ち始める頃


田んぼの中はなおいっそう生き物の命が湧き上がり


むせるようなエネルギーの渦が


人知れず静かに渦巻き続ける