煙るような砂あらしをおこし
びゅうびゅうと耳をつんざくような怒鳴り声をあげる
春の荒くれ風
町はかすみ
鉢は倒れ
花びらはむしりとられていく
換気口はひっきりなしにカタンカタンと不満そうに鼻を鳴らし
風圧でガラス戸は悲鳴を上げる
砂でさえぎられた視界の中で
晴れた空だけが下界の騒動を面白そうに見物する
日暮れが延びていつまでも明るい空の下
荒れた風に負けないように
学校がひけた子ども達の元気な声がこだまする
子どもは風の子
風で荒んだ町は
子どもの笑顔で明るい活気を取り戻す