窓を開けると


大きな大きな木が


堂々たる風格で


まっすぐに見据えてくる


己の小ささをしり


歩んだ道程の短さに恥じ入りつつも


その美しさにみとれ


名も知らぬ木に敬愛の挨拶をする


春には芽吹き


秋には葉を散らすその木が


一体何ものなのか考えもせず


新しい季節を迎えたそのときに


はじめて知った真の姿


それは、白い花を沢山つけた桜の木


さながら


グリーンゲイブルズの雪の女王様


なぜ知ろうとしなかったのか訝りながらも


美しい姿にうっとりと夢見心地になる



教えてくれなかったのは


驚かせたかったんでしょ?



この地の雪の女王は


気高い顔でにっこりと微笑み


桜の花びらをふわりと投げかけてくれた