道路の端に横たわった小さな体


車にはねられた動物がそのままの形で動かずにいる


茶色の体はいたちのもののようだが


太い尻尾がリスであることを告げている


北国の自然の中では


沢山の動物達が野原で暮らしている


うさぎ、タヌキ、きつね、リス・・


真っ白い雪の上に描かれる軌跡は


彼らがお散歩中にのこした小さな足跡


春になって人も鳥も忙しく動き回り始める頃


彼らもまた餌を求めて人知れず活動を始める


人と動物をわけ隔てる境はどこにもない


勝手に境界を引いているのは人間だから


彼らの目線からは


人間のことなど見えないのだろう


車が走っていることが何のことだかわからないのかもしれない


横たわった小さな体は、いずれカラスについばまれ


自然の中に戻っていくのだろう


人間が手を下すことがなくとも、めぐる生命


自然と不自然をわけるもの


それはただ人間の介在がなす業でしかないのかもしれない