2008年のテーマはイル―ジョ二ストでした。
このタイトルを思いついたのはイタリアへの飛行機の中でした。
機内で「The Illusionist」と言う映画をやっていたのです。
次々を移り変わるトリックとロマンス、現実か幻想か分からない不思議な世界。
私の好きな街ヴェニスと通じるものがありました。
2008年5月26日宮殿の様なレストランエメヴィヴェールで開催されました。
今回のコレクションには新しい素材やデザインがふんだんに盛り込まれました。
スリーピングビューテイやハックマナイトです。
今は知られているスリーピングビューテイですが、2008年頃はまだ出回ってもおらず
認知度も低かったのです。
ある日いつも来てくれる石屋さんが、ナゲット状の欠片の入った箱を持ってきて、
「これは使いませんよね」と言って見せてくれました。
「アリゾナ産のトルコ石で、スリーピングビューテイ鉱山でしか取れない綺麗な水色なんです」
「後で見ておくので置いて行ってね」と言って委託で置いて行ってもらいました。
実は、ちらっと見た瞬間に私はその美しい水色に心を奪われていました。
それを悟られないようにしていましたが、石屋さんが帰った後、夢中になってその石を見つめていました。
その後この石について調べて観ました。
アリゾナ州グローブにある美女が横たわっている形の鉱山から産出されるターコイズで、他のターコイズと違い鉄分がほとんど含まれないため美しい混じりけのない青空色をしており、産出量が極めて少ないことからの希少価値が高い。(2012年には閉山になっています)もちろん眠れる森の美女(sleeping Beaty)同様鉱山で長い間眠っていたことから名前が付けられたことなど。
私は結局その石屋さんが持ってきたナゲット2㎏を購入。磨いてルースに出来たのは15個ほどでした。
もう一つハックマナイトは、太陽光に当たると赤く色が変化する石でした。
アレキサンドライトのように色が変わって見えるのではなく、光を吸収すると赤みが強くなり暫くすると元に戻ると言う不思議な石で、イル―ジョ二ストにピッタリと思われました。
もうひとつ特出すべきは、この年オペラのコレクションが発表された事です。
オペラはこの後ヒットを続け、2023年の現在まで売れ続けています。
この年はリーマンショックの合った年で、業界は大打撃を受けていましたが、
私のコレクションは絶好調を続けていました。