枇杷は静かに枯れていった。
枇杷の枝が突然誰かに切られたのは2年前
父の葬儀で家を留守にしていたときだった。
帰ってきたら枝が数本切られてた。
庭はマンションの共有地である
自宅裏にあるので自分で使っているけれど
うちの庭ではない
「大きくなって枝が邪魔だから切ってあげている」
と 近隣の住人が言ってたということらしい。
切る方にもそれだけの事情があるのかもしれぬ・・。
わたしは争い事になるのを避けて そのままにしておいた。
枝はそれからも何度か無断で手入れをしていただく事になった。
その枇杷は10年くらいまえに
友達が持ってきた苗木だった。
枇杷の種を植えたら芽が出たというので
うちの子になった。
すくすくと育って
震災後に はじめて実をつけた。
「植える場所・・もうすこし考えれば良かったね・・。迷惑かけてるのかもね・・。」
と 家人と話していた。。
この冬、
枇杷は今までにないくらい花をつけた。
そして2月の末頃だったかな・・
明け方夢を見た。
友達が、遠くに行くので挨拶に来る・・
という夢だった。
その友は 枇杷をくれた人で
わたしは 彼女の身に何かあるのではないか と 心配になったけど
何事も無く・・ 安心した。
その頃から
枇杷の木が枯れ始めた事に 気がついた。
枇杷・・・
ああ、そういうことだったのか。
だから挨拶に来たのか・・。
「植物には何の迷いもない。
去る時も潔く、さっと消えていく。
植物たちはとてもよく分かっている。
そこに諸々の思いは無く 自然界はとてもシンプルなのよ。」
以前、新潟でペレランドラガーデンの勉強をしたときに 尚子先生が言っていた。
・・・そっか。
枇杷は自ら姿を消すことを選んだのか
だからちゃんと挨拶にも来てくれたのか
枯れた木に詫びて
・・・
見ると 足元の植木鉢の中に ちいさな枇杷の苗が!
なんと そういうことだったのね。
繋がるいのち。
どこに根付きたいかは・・枇杷の子自身に聞いてみよう・・。