今日、のつもりがまた昨日のことになってしまいましたが、竜田揚げを作りました。
片栗粉で。
小麦粉で揚げようが片栗粉で揚げようがそれらを混ぜて揚げようが唐揚げと竜田揚げの定義の差は曖昧らしいですが、私は片栗粉を用いたものを竜田揚げとしています。
各粉単体で揚げると食感と味が異なりますもん。そこの差に概念の違いを見出しています。
4日前か5日前か、厳密には忘れましたがとにかく片手で数えられる程度の過去の日に竜田揚げを作ったのですね。
それがばかにおいしくできたので本日(昨日)「またやろう」と思った次第です。
これまでにも数え切れないほど鶏は揚げていますが、今回のものは人生の中でも1番にうまいと思える出来でした。
自分でそう評しといて過去にもっとおいしく感じたことはあったんじゃないかなあとも思いますがね。忘れてるだけで。
とにかく今回のはうまかったです。我ながら。
まあ…腹が減ってたから、そして「久しぶりに揚げてえな」という欲が湧いていたので心がその方面に傾き、やたらおいしく感じただけでしょうけどね。
心の有り様は味のドーピング剤です。結局のところ。
まず数日前に揚げた時は、シンプルな竜田揚げを作りたかったので、ふにゃふにゃの生の鶏ももに多くない量の醤油をかけ、そこへ適量と思える片栗粉を纏わせ揚げました。
水分を多く含ませず片栗粉を纏わせたので、つまりべちゃべちゃもちゃもちゃの衣とはならず、粉の凹凸が見えるようなばふばふした状態で揚げました。
粉に含ませる水分が多いとフリッターのようになりますが、あれはあれで嫌いじゃないんですが今回は衣がさくさくしたものが食べたかったので少なくしました。
揚げると案の定衣が岩山のようにごつごつしており、口当たりもざくざくしてました。
味の素Sだけつけて食べたんですが、これがやたらうまかったんですね。
これ以上調味は必要ないような味のバランスでした。
醤油を「これじゃ少ないかな」と思える程度の量に留めておいたのが良かったのだと思います。
多すぎると醤油一辺倒の、普通の醤油唐揚げの味になりますからね。
醤油の風味がうっすら感じられる程度に抑えられてよかったです。下味程度の。
弱火~中火の手前の火力で揚げたので焦げもしませんでした。
油の量は鍋に投入した肉の半分くらいまでの嵩しか使っておらず、鍋底に接触している肉をいちいちひっくり返す必要があったのですが、それでも底に引っ付かなかったのが嬉しかったですね。
やっぱ弱火がいいわ。
また鶏が東北の鶏だったのでうまかったんですよね。ぱさつきもせず。
私は東北産の鶏を贔屓してます。前にも書きましたが。
なぜなら旨味がすごいので。おいしい、噛みやすい、口当たりがいい、これに尽きます。
頬張って味わい飲み込んで腹を満たし幸福感を得る、食の楽しみとはこれ以外にありましょうか。
嗅覚もあったか。ああ視覚もあったか。はたまた団欒か。ともすると音も大事な要素かもしれない。
調理の音や料理を切る音、人によっては咀嚼音も注目注聞すべき要素でしょう。
でもまず第一に、最も尊重されるべき要素は食べることだと思います。私は。
だって食事の目的は摂取なんですから。補給なんですから。おいしいものを詰め込んでなんぼ。
とにかく東北産の鶏はおいしい。しょっちゅう食べています。それだけです。
また、私は半分東北の血を引いてるので親和性があるのでしょう。これも前に書いたな。
その後に続いて揚げた外国産の鶏は味気なくてぱさぱさでおいしくなかったです。
脂の味しかしない。それが好きだった時期もありますが。
話は戻りますが、揚げた東北鶏を味の素Sだけで食べた後、先日作っておいたほうれん草汁があったのでそれをつけだれにしてみようと思いました。
この汁はほうれん草とわかめと海苔を一緒に煮、後から東北鶏ももも投入し茹でた煮汁なのですが、そこに白出汁を足して味を調整したところこれが凄くおいしくて、予定通り竜田揚げにも本たれをつけて食べてみたところ間違いなくおいしかったのですが、ただたれ自体の味が濃すぎて旨味の強い東北の鶏とはぶつかるような、過剰一歩手前の感がありました。
汁自体がすでにうまいですからね。やりすぎになってしまうのですね。
その後そのたれに味の素Sも足してみたところ、たれ自体の風味はより強くなりましたが当然ながらそれをつけた竜田揚げの味はよりくどくなりましたね。完全に旨味過剰です。
このたれはまずい鶏、味の薄い鶏にならよりしっくりくるのだと思います。
改めて野菜(ほうれん草)すげえと思いましたね。野菜は旨味、出汁の基本ですね。
そして本日(昨日20日)揚げた鶏は醤油をかけずに揚げたんですね。物足りないかなーとは予想しましたが。
醤油がないので白くきれいに揚がりました。相変わらず弱火で。
そして前回の如く味の素Sだけつけて食べるとやっぱり物足りなかったので、下味レベルの量の醤油は必要なんだなと再認識しました。
その後醤油を混ぜてから揚げましたが、やっぱり少し味が豊かになりますね。
衣もちょっと茶色く揚がる。
揚げ加減もよかったのですが、ただ竜田揚げそのものの味は前回の方が良かったですね。
今回使った肉は数日放置していたことでドリップが出てしまっており、そのため味も鮮度も失われたのだと思います。
まあそれを差し引いてもやっぱり鶏料理はうまい。
ただ油っこいので数個食べて満足してしまい少し残してあります。次の晩飯に食うか。
20日に揚げた鶏。醤油を足してから揚げたものの写真です。
もっときれいなのを撮りたかったな。
きれいに揚がったのはもう食っちまってたんですよ。
これは今回の一連の揚げ物に使った油です。
一度目(数日前)の調理時に使った油を使いまわしているのですが、焦げもこびりつきも殆どなくきれいなものです。
やっぱり弱火は料理を救う。