ブリスターヴェベル | 虚空のラクタ

虚空のラクタ

ようこそ

ブリスターヴェベル
年齢:24
身長:184.8cm
体重:73kg
呼名:ぶりちゃん、ヴェベル
特徴:肌がつるつるしている、仲が良くなるとべたべたする、魚介の刺し身が好き(特定の種に限る)、鯱が好き、按摩されること(特に頭部)を好む、丁寧な言葉遣い(ヴェベルほどではない)
出身:オイオローロ星 オイオローロポ県 オイオローロポヘ区

故郷の惑星が警邏連盟の手に落ちようとした時、ブリスターヴェベルはラクタ艦隊の助けを必要とはせず、強力な自作船を駆り独力で母星から脱出してきた。
元々ブリスターヴェベルは故郷にエミエンアクスティの脅威が迫ろうが迫らなかろうが近い将来ラクタらの船団に加わる腹積もりであり、警邏連盟の粛清から逃れるための本逃走劇は予め明確な逃走先が定められた亡命作戦であった。
苛烈さを増す警邏連盟エミエンアクスティとラクタらの船団を始めとする反抗勢力の衝突の様が多くの星系の知るところとなり、時折報道される宇宙戦の映像から彼女はラクタらの船団に自身と面差し似た人々がいることを認識していた。
そのため船団への興味は募る一方であり、いざ危機に見舞われた際には新天地開拓を兼ねそこへ亡命しようと決めていた。

ブリスターヴェベルはヴェベルフォメリアと趣味が似ている。
それだけではない、姿もとりわけ似ている。
即ちヴェベルフォルインにもその佇まいは似る。
単に骨格や顔つきなどの生来の容貌が似ているだけならまだしも、三者は嗜好まで、例えば髪型や服装まで共通しているからたまらない。
三人とも共通した色合いの服を好んで着ているのである。
ただ、ブリスターヴェベルはラクタ穹子との親和性が極めて高く、更に操船技能も大変に秀でており、その二点が他の二人と、とりわけヴェベルフォメリアと一線を画している要素である。
また、脱出劇から察せるとおり彼女はヴェベルフォメリアのように物怖じする性分を持ち合わせてはいない。
ヴェベルフォルインのように誇り高い性格である。苦境に置かれようとも心は折れず。負けはせぬ。
その胆力が如何にして育まれたのか興味深いところだ。
ちなみに、ヴェベルフォメリアより肉付きは良い。
そんなブリスターヴェベルの宇宙船は、顧客の要望を聞き二つと無い宇宙船を提供することを理念とした造船企業に独自の注文を出し造り上げた専用穹天探索船 ゴウジャチ。
その外観はラクタ級ともフォルインヴェベルとも似つかない異様を誇る。
強いて表現すればヴェベルフォメリアのツェネルゼリートに近い造形だ。
ゴウジャチはラクタ級より小型であるものの、その防幕の強固さはアテラレネイターに搭載されているものに引けを取らない。

ラクタらの船団に加わったことで一定の安全が保証されたブリスターヴェベルであるが、それは決して避け得ない警邏連盟との戦いの日々が訪れることと同義であり、その心に完全なる平穏は未だ訪れてはおらず、更に幼馴染であるミムモンポイの行方が判然としないことが不安の種となり彼女の胸をこれまで以上に重くしようと揺さぶりをかけてきている。
ブリスターヴェベルは母星からの脱出時に、九ヶ月前他星へ木の実の収穫のため向かった友人の帰省を気にかけていた。
母星が警邏連盟の支配下にある現在、出稼ぎを終えそこへ帰還してくる彼も当然尋問されよう。
特に彼はラクタの血族の一個体、つまりブリスターヴェベルを詳細に知る人物であるため、例え義に厚い彼が人生の黎明から触れ合ってきた幼馴染の存在を秘匿しようと、その気配を容易に察するであろう賢しい警邏連盟が尋問の手を緩めることはないだろう。
それが心配なのだ。
と、大瓶に注がれたラクタニューを飲み干しながら彼女は吐露した。