今週から図書ボランティアで、朝の読み聞かせが始まるので、本を探しています。
と、ここまで下書きをして、日々諸々のことに追われていたら。
読み聞かせが明日になってしまった。
まだ練習もしていないし、たーいへん。
明日は4年生です。
2冊用意しましたが、時間が余るかも…。
ゆっくり読もう。
『滝の向こうの国』
今昔物語集に収められた逸話を元に、再編成したオリジナル作品。
役職名や世界観に馴染みがなく、戸惑うかもしれませんが、今昔物語の世界、ぜひ味わって頂きたいです。
今は昔、京の都に住んでいる権大納言(ごんだいなごん)が、お友だちの家に行く途中。
権大納言というのは、国の政治をする人ですね。
漁師に捕まりそうになっていた鹿を、助けてやります。
お友だちは陰陽師(おんみょうじ)。
政治のために占いや魔除けをするのがお仕事です。
陰陽師のおうちで、お料理ができるのを待ちながら、退屈しのぎに、庭へ出てみると。
季節はずれの桃が木になっていて、甘い甘いと、3つもぺろりと平らげてしまいました。
だいたい、こういう甘い味というのは、よくないことがおこる前兆ですね。
「甘い誘惑」なんて言われます。
更に歩いて行くと、泉があり、いい匂い。
一口飲むと、お酒。
だいたいもう、お酒というのは、よくないことへの道標。
そこへお坊さんが現れます。
「どうぞ我が家へお越しください。お酒よりももっとおいしいものがありますよ」
幼稚園の子だって、「お菓子をあげるからおいで」と言われても、ついていってはいけないと知っているのに、この権大納言さん、ほんと誘惑に弱いですね。
「さあ、どうぞ」
と、差し出された飲み物は、ぐらぐらとにえたぎった銅の湯!
「まずは、わたしが、飲んでごらんにいれましょう」
と、お坊さんが飲むや、途端に、目から耳から鼻から、真っ赤な炎と煙が吹き出します。
権大納言が、大慌てで逃げ出すと、さきほど助けた鹿が、地蔵菩薩(じぞうぼさつ)の姿で現れ、あの世から、この世へ、連れ帰ってくれました。
陰陽師の庭は、異郷につながっていたのです。
昔は、この世とあの世は、こんなふうに繋がってると考えられていたんですね。