どうしてもご紹介したい本があるので、もう1冊。
可愛い~!
読み終わった途端、ついそう叫んだ声を聞いて、娘が「どうしたの?」とやって来ました。
「夜に読んであげるね」
山寺の和尚さんが、病気になったので、代わりに小僧さんが、お経を読みに、檀家へ向かいます。
小僧さんは、お経を忘れないように、口の中で唱えながら、歩いて行きましたが。
途中でうさぎと会い、夢中でうさぎと遊ぶうち、お経を忘れてしまったんです。
どうしよう。たいへんだ。
うさぎさんが、
「それならお経の代わりに、歌をうたいなよ」と言って、歌を教えてくれます。
♪向こうの細道 ぼたんが咲いたよ
小僧さんは、檀家に着くと、言われたままに歌います。
聞いていた人々は、びっくりして、それからくすくす笑います。
こんなに可愛いお経は聞いたことがありません。
法事が済むと檀家のご主人は、済ました顔で、「ごくろうさま」と、おまんじゅうをくれました。
小僧さんは、帰り道、うさぎさんに、おまんじゅうを分けてあげましたよ。
書いていて、また可愛いー!と叫んじゃいました。
小僧さんも可愛いけど、それを受け入れてくれた檀家の人々の温かい心も素敵です。
ユーモラスで、穢れのない純真さあふれるこの絵本は、大人のための童話かもしれません。
読み聞かせをした娘たちも、面白いとは思ったようですが、琴線には触れなかったようです。