美術館のしつらえ | ATELIER MINE  

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群馬県立舘林美術館
 

 

設計者はこの場所の雲の流れ迄考慮して
建物やランドスケープをデザインしたのだろうかと感心する情景。
水辺のこの姿を観て、鯉料理が食べたい、、などと、
不謹慎な欲望がこみ上げてきた初夏の陽気(笑)。
 






企画展示は 「熊谷守一 いのちを見つめて」
岐阜県出身の画家、

 

群馬でいえば福沢一郎山口薫のような
郷土を代表する近代の画家なのでしょう。

 







環境に共鳴するランドスケープデザイン
近代デザインの興味深い企画展示で、
お気に入りの美術館なのですが、
今日は、作品鑑賞よりも、ちょっと気になっていること、三つ、


一つは、このレストランの看板
冒頭の景観の調和と共に周辺の公園や道路整備など
サイン計画に至るまで、統一感あるデザインなのに、、
何故、ファミレスのメニューのような混沌としていて興醒め、、
都心の美術館とは客層が異なるのはわかるがやはり残念。。





二つ目は、
落成当時、建築雑誌やデザイン雑誌にもよく紹介されたこの美術館。
細やかな設計ディテールとして、壁面と一体化した引き出し式の傘立て、
しかしながら、、通路の反対側にある普通の傘立て、、
設計者はこれを置いて欲しくないから造作に腐心したのに、、、
地方の美術館は、団体客を効率よく流すよう、
「こんなのめんどくさい」と言いたいのでしょう。






三つめは、
美しい中庭スペースがあるのですが、

殆ど生かされていないのでは、、と思うこと。




住宅街をデザインする際に計画される植栽なども、
四季折々の移ろいを感じさせるものにしても、
コミュニティー活動が成り立たぬ住民が「めんどくさい」と
木を切り倒してしまう例がたくさん観られます。


心豊かな文化的な生活とは、
少しのこだわりとそれを味わうために、少しのめんどくささを受け入れていくこと、、
そんな理解と教養を深めることの積み重ねだの思うのですが、、