こんばんは、今日も来てくれてありがとうございます。
今日は、「メジャーじゃないおすすめ映画」の話題に
参加させていただきます。
たぶんメジャーとは言えないと思うので
私は、ピーター・セラーズの遺作「チャンス」を
おすすめしたいと思います
ピーター・セラーズと言えば、
「ピンクパンサー」のクルーゾー警部で
覚えている人も多いことでしょう。
54歳という、まだまだこれからという年齢で亡くなってしまった
彼の最後の作品がこの「チャンス」でした。
「ピンクパンサー」がドタバタしたコメディーでしたが
それに対して「チャンス」は、静かに笑える映画です。
社会を風刺するコメディ映画とも言われますが
本当にそれだけなのかな?
もしかしたらもっと深い意味がある映画なのかもしれない
そんな風にも思わせてくれる映画です。
タイトルの「チャンス」は、主人公の名前です。
チャンスは、物心つく頃には
すでに大きな家の庭師として暮らしていました。
庭の手入れをすることが彼の全てです。
彼はテレビもラジオをも見聞きしていますが
庭に関する知識しか持ち合わせていませんでした。
そんな彼が雇い主の死によって、慣れ親しんだ場所を失い
社会に放り出されることになります。
最初は、社会の厳しさに触れるチャンスですが
財政界の大物の婦人の乗る車に足を引かれてしまうことから
彼の運命が大きく変わります。
どんな大物にあっても、物おじしないチャンスは
何を聞かれても庭師としての話しか出来ません。
でも、そんなチャンスを周りに人たちが勝手に勘違いして
チャンスはどんどん有名人に・・・
最期には大統領候補にまで名前があげられてしまうのです。
どんなに周りが騒がしくても
チャンスはどこ吹く風です。
限りなく純粋で素直なチャンスには
欲も恐れも何もありません。
彼の周りに流されない純粋さと
周りの人たちの勘違いぶりが笑わせてくれるコメディ映画ですが、
映画のラストでは、森を歩いていたチャンスが
最期は湖の上も歩いて行きます。
水の上を歩いて行くチャンス!
それは、純粋過ぎるがゆえに起こせ?
何ものにも染まらない純粋さを
もしかしたらチャンスは人間じゃなかったのか?
それとも自分とあまりにかけ離れた環境の変化から
彼は去ろうとしていたのか?
ラストのわずかなシーンの驚きに
考えさせられてしまうところが
笑わせるだけのコメディ映画とは違う
面白さを感じさせてくれる映画です。
考えようと思えば
いろいろと考えさせられる映画です。
たぶん問題提起を目的とした映画ではないと思うので
映画を観ていて生じる疑問に、答えはありません。
映画に答えがないからこそ
その答えを想像することで
得られる気づきもあるのではないかと思います。
素直にコメディー映画として楽しむのも良いですし
感じることを楽しむことも出来る映画です。
機会があったら是非
観てみてくださいね(*^_^*)