「マールのパン屋さん、トトロスのオニギリ屋さん②」


マールパンの店内は、
こんがりと焼けたおいしそうなパンの香りが、
あたり一面にただよっていました。

カランカラン。

お客さんが来ました。


マール「いらっしゃいませ!」


お客さん「あのパンをください」


マール「こちらのパンですね。
ありがとうございます!」


このときのマールは、
定番のパンから新作のパンまで、
たくさんの種類のパンを作っていました。

パンを作ることに情熱と、喜びを感じていました。


この日、

仕事を終えるとお店の二階にある自宅に戻り、

身なりを整え、お土産のお酒を持って、
トトロスの自宅へと向かいました。


週に一回、トトロスと一緒に夕食を食べる日でした。

マールは、この日をいつも楽しみにしていました。


トトロスは、お店には住んでおらず、
お城に住んでいました。



マール「いつも思うんだけど、
トトロス君のお家は広いねー」


トトロス「家は、大きいほうが落ち着くんだ」


マール「こんなに広いと掃除や庭の手入れとか、
維持が大変そうだね」


トトロス「問題ないよ。
ノリオ(従業員)と、コメオ(従業員)が、
住み込みで働いてくれているから、
全部やってくれるんだ」


マール「それは良いね」


トトロス「彼らは、すごく気が利くんだ。
ボクが思ったことは何も言わなくても、
すぐに動いてくれるんだ。
まるで前世、家来だったみたいだよ。
ワッハハハハッー!」


マールとトトロスは、
お酒を飲み、おいしい料理を食べて、
ゆったりとした、ひとときを楽しんでいました。


お酒もすすみ、気分が良くなってくると、
いつもの遊びをはじめます。


トトロス「マール君。
王様と臣下ごっこをしようよ!」


マール「いいよー!」


トトロスが王様役になり、
マールが臣下役になる遊びをはじめました。


トトロス「マールよ」


マール「ハッ!」


トトロス「今日も酒がうまいのう」


マール「そうですね」


トトロス「マールよ。
聞いてくれ。
問題が起きた」


マール「どうしました?」


トトロス「業者が米の値段をつり上げおった。
ムカつくのう!」


マール「それは大変ですね。
どのような対処をいたしましょうか?」


トトロス「ヤツらを処刑せよ!」


マール「ハッ!」


トトロス「ワッーハハハハッー!」

マール「ハハハハッー!」


マール「王様」


トトロス「なんじゃ」


マール「近年、
小麦粉の値段が上がっていく一方です」


トトロス「よし!
大将軍に命じる」


マールは、ワインの瓶を逆さまにして、
剣のように持ち、大将軍を演じました。


マール「ハッ」


トトロス「小麦粉を支配している親玉を処刑せよ!」


マール「ハッ!!」


トトロス「ワッーハハハハッー!」

マール「ハハハハッー!」


二人は酔っ払うと王様と臣下ごっこをして、
楽しんでいました。


ひとしきり遊んだ後、
すっかり酔いも醒めました。


マール「ねぇ。トトロス君。
今日ボクのお店に、
不思議なお客さんが来たんだ」


トトロス「どんな人?」


マール「″時の番人″って言っていたかなぁ……?
変わっている人だったよ」


トトロス「へぇー。
聞いたことないなぁ」


マール「その人は、
ボクのことを未来から今世に、
生まれ変わったって言うんだ」


トトロス「前世の後に今世に生まれ変わるのが、
ふつうじゃない?」


マール「未来から過去の時代に、
生まれ変わることもあるらしいんだ。
過去、現在、未来は、
一直線で存在しているのではないらしいよ」


その日マールは、
″時の番人″というお客さんから、
不思議な話を聞きました。

次回へ、続く…………。