初夏の筍
5月5日が端午の節句であったと同時に
この日は立夏でもありました
立夏とは
夏の気が立ち上がりはじめる日
という意味です
季節も巳の月の初夏となり
晩春からの陽気を受けた草花が
さらに勢いづいて咲き乱れます
躑躅(つつじ) 皐月 菖蒲
薔薇 藤 牡丹 芍薬
ジャスミン ライラック
花だけでなく
枝葉の新緑も輝きまぶしく
若草が匂い立って萌えています
どの植物も
めざましい生長をしますが
この季節の代表は
やはり筍ではないでしょうか
筍は土から太い顔を出したかと思うと
あっという間に竹へと
長く、高く、上に伸びていきます
まさしく身の丈の生長が驚異的です
身の丈に合わせる
身の丈というと
「身の丈に合った」という言葉があります
「身の丈」とは身長や背丈のことですから
今の自分の体の大きさに合わせること
そこから
「分相応」という意味を持ち
社会的な立場や地位に見合った
無理のない自分らしい振る舞い
という意味で使われる言葉です
過度な虚栄にとらわれないように
生活や生き方の戒めとするには
確かに分相応ということは大事です
でもだからといって
成長できる可能性を秘めているにもかかわらず
分相応をなんらかの制約にしてしまうのは
とてももったいないとも思うのです
身の丈というサイズ
身の丈に合った生活というのは
今の現実を受け入れることではありますが
将来に対してもずっと現状維持をする
ということとは違うような気がします
大切なのは
その時々の身の丈を確認しながら成長する
ということだと思うのです
筍が竹になるとそこには節ができます
筒状のまま真っ直ぐに伸びるだけでは
折れやすくなってしまい成長は望めません
ですからしっかりと生長するためには
いくつもの節目が必要になります
身の丈の節目はサイズだと私は思います
成長に応じてサイズは変わります
発育の盛りのときには大きく変化しますし
病気や老化のときには小さくも変化します
その都度の丈と量に見合った
装いや調度のサイズ感
これがジャストフィットしていると
内にも外にも
しっくりした成長につながるように思います
身の丈に合わせるというのは
外側の環境から抑圧されることでもなく
自身の中で諦める理由にすることでもなく
自分の成長や周囲の進展に応じて
自らサイズを変えていくこと
人生や生活の折々に
自分でその時々の自分を推し量って
節目をつけていくことだと思います
伸びたら伸びた分だけ
縮んだら縮んだ分だけ
増えたら増えた分だけ
減ったら減った分だけ
そういう分だけ自分に合うサイズで
自分を心地よくさせていくこと
身分や身の丈は
社会的な格差の枠のことではなく
自分の生き方の季節を巡る
その都度のポイントとして考えてみるのも
ときにはいいかと思います
山の合目
サイズを表す単位の中に「合」があります
これは尺貫法という日本古来の
長さ、面積、体積、質量を計る単位です
この中で量を計る「合」は
現在でもお酒やお米の計量に使われていますね
この量を計る「合」ですが
登山する山の節目にも「合目」として
「合」が使われています
山の合目の由来は諸説ありますが
そのひとつには
尺貫法の「合」からきている
ともいわれています
それは油の量のことで
夜の登山で行灯を照らすのに必要な油
その油の一合分で行き着ける間の区間を
合目という説があるのだそうです
この山の合目の由来を聞くと
まるで人生の山登りのようでもあるなと思います
山の標高を均等に一から十まで割るのではなく
一合分の油による灯火(ともしび)が続くまでの時間
その間に行き着ける場所が自分にとっての合目
山の場所によっては
一合で多く歩ける安寧な道筋もあれば
一合でわずかしか辿れない難所もあるでしょう
どこまで遠い場所に行き着くか
どこまで高い場所に行き着くか
ではなく
一合という自分が持っている燃料で
どのように山道を巡っていくか
一合という量をどのように使っていくか
そのことの方を考えさせられます
自分の持てる量
身の丈
人の成長は身長だけでなく体重でも表されます
丈だけでなく量も欠かせません
身の丈のサイズはその成長ごとの身長と体重
丈の長さと目方の重さ
その重さなりにできることは何か
その重さはどのような器に入っているのか
丈の節目と同じように
その時々の自分の容量
について考えることも
生き方のポイントとなるかと思います
その器に入るだけの量
量の大小ではなく
器の美醜ではなく
その器ごとの量
その都度の分量をエネルギーにして
その都度の分量を出し惜しみなく使って
今の自分のサイズを精一杯楽しむ
それを繰り返すうちに
やがてサイズが変わっていき
その変化にも柔軟に対応できていくでしょう
度量と器量
2022年の5月5日から6月5日は
二十四節気の立夏から小満のひと月です
この1ヶ月の暦のひとつである九星は
八白土星です
八白土星のメインのシンボルは山です
古代の人は山の盛り上がりを
まるで大地が天へと成長していくかのように
イメージしたのでしょう
ですから山は大きな成長のシンボル
そして成長に通じる変化や節目
その節を持つ竹も八白土星が表象します
そして今年一年間の暦は五黄土星です
五黄土星は
目的意識、個別の成長、頂上
のシンボルです
5月は暦を表す盤の中宮(ちゅうきゅう)で
五黄土星と八白土星が重なるひと月です
ふたつの九星のシンボルの関係性から
身の丈について考えてみました
高くなった丈が視線の高さにもなって
足元を見下(くだ)すのではなく
麓に寄り添って見下(お)ろせるように
器の分量は目に見える部分だけでなく
人柄の大きさにもなっていくように
人の成長も年齢や身体の表面だけでなく
筍から竹への生長のように
いい節目をいくつも越えて
度量や器量といったおおらかな心を
人生の中で育んでいきたいものですね
















