ぼくは、早い時間の朝が好き。


お母さんが寝ている部屋から、


小さく優しいピロピロが聞こえてきたら、


嬉しくなる!


おかあさーん、早くこっちにきてー!


お母さんの顔が見たいよー!


お母さんは、


朝から優しいから好き。


お兄ちゃんもいつも、


「こたろう、おはよう。お腹すいた?」って


自分の朝ごはんより先に


ぼくのご飯を用意してくれる。


だからとっても大好き。


ここまでの朝は大好き。




お母さんのリュックに入ったら、



連れて行ってもらえるのかな。






ここからの時間は、


お母さんはパタパタして、


お兄ちゃんもソワソワしてる。


やだなーって思ってたら、


遠くでお母さんが、


「行ってくるけんね〜」って言って、


玄関のドアがガシャンってなったら、


家の空気が止まるんだ。


不思議だね。


そのあとのお兄ちゃんのガシャンは、


そうでもない。




ぼくはこの玄関のドアの、


朝のガシャンが嫌い。


空気が止まるのが苦手。


お母さんは、空気の神様なのかな。


だから、夕暮れのガシャンが待ち遠しい。





                  こたろう