こんにちは。
私の人生…主に仕事方面はヒューマンバグ大学によって劇的に変わり、そして今も尚変化を続けております。
年末ということもあり「なんか今年、すごく嬉しいことがいっぱい起きたけど、もしかして死ぬんかな?」とまで思っている始末です。
そんな原作版声優が、12週間、自分の一切関わっていないTVアニメ版を見たところ…声優としても、アニメファンとしても言葉に尽くせない時間を過ごしましたので、それを…
ツイートしようとしたら文字数が「えらいこっちゃに抹茶に紅茶」したので、ブログにまとめまーす!
やっててよかったわ、ブログ。
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まずは布教のターン。
ヒューマンバグ大学-不死学部不幸学科-」とは?
死刑囚・佐竹博文は絞首刑を生き延びてしまう。
彼は病や事故から幾度も生還した「アンデッドマン」だった。罪状は婚約者とその浮気相手の殺害。
だが、彼は記憶喪失になり、自分の犯した罪、それに至る経緯などの記憶を失ってしまう。
彼が愛する人を手にかけた理由、
そしてこの状況を作り出した黒幕へ迫る旅の物語。
…なのです。
ここからはネタバレしかないので、ここまで読んだ未視聴フレンズは今すぐAmazonPrimeビデオを契約して12話見てきてください。
大丈夫。6時間もあれば見終わる。
1.原作YouTubeとの相違、そして愛
まずはなんと言っても「原則オムニバス」な原作YouTubeの1000本を超える動画たちを
「ひとつなぎの物語」に織り上げたシナリオに毎週感嘆の声をおんぎゃあしておりました。
10分程度の動画で
・決まったテーマを担う「連載キャラクター」の物語
・1つの出来事を読み切り的に語るキャラクターのの物語
で構成されている原作YouTubeチャンネル。
これらの動画のあらゆるところ…キャラクター、モデルとなった事件、事故、病気、土地etc.から要素を拾って12話のひとつの物語に再構成されていること。
無限大の組み合わせ、構築、取捨選択。
どうやってこんなことを思いついたの?と思わずにいられませんでしたし、今も「とりあえず脳みそ食べさせて?」という気持ちです。
「人気YouTubeチャンネルをアニメ化」と一言で言うのは簡単だけれど、決してその枠に収まらない、
「原作はあるけれど、それはそれとして、一つの作品として仕上げる」
そんな情熱の感じられる、1000を超える動画を大切に大切に見つめて作られた、丁寧な作品です。
原作動画の2本目から関わっている身なので、これをどう1クールアニメにまとめあげるのだろう?やはりオムニバス?といろいろ想像を巡らせましたが、
「来週を待つ、来週が来るのが怖い」という行動が伴う作品になるとは思いませんでした。
3年かけて慣れ親しんだ、オムニバス形式。
1本見れば結末が分かる生活にあまりにも慣れた身には強烈すぎる体験でした。
そして、姉妹チャンネル「エモル図書館」にて、1話完結のキャラクターを演じることの多い身としては、
佐竹たち固定の登場人物だけでなく、読み切り式に1話限りでお別れしたキャラクター達が随所に登場し、新たな役割を担っていたことが、
うまく言い表せないけどとっても嬉しかったです。
また会えたね!
このことがとても嬉しいです。
本当に、ありがとうございます。
あと、各話のタイトルが原作YouTubeの文体に沿っていたり、
次回予告の1枚絵がサムネイル風であったりと、細かなところにも愛を感じて感激していました。
「そうそう!いつもこんな感じだよねーっ!!」って思えるのはとても嬉しかったです。
2.アニメからYouTubeへの拡張性
登場する事象(事件、事故、病気、場所等)を原作チャンネルで検索すると、
まったく別の語り口で語られた動画が出てきます。
この拡張性のおかげできっと、アニメの外側へ、さらに視聴者さんの世界が広がったと思うのです。
あるいは、原作で進む別の物語にも興味を持っていただけたかもしれません。
私個人のスタンスですが
読み切り的に何かの事柄を扱う動画に出演する際
「この動画ですべてを知ることは出来ないけど、ダイジェスト的に事柄を扱うことで『さらに調べてみよう』って視聴者さんが思ってくれたらいいな」
と思いながら関わっているので、
そんなふうに「これはどうして?」が誰かの頭に浮かんだのなら、それはとても嬉しいなと思うのです。
私自身、アニメをきっかけとして、懐かしい動画に改めて触れる機会も生まれて、懐かしい土地を久しぶりに歩くような感覚でした。
3.佐竹と千恵ちゃんの魅力の再確認
これが私にとって最も大きな喜びでした。
困難な時に思いやりを持って支え合っていく2人の姿は、千恵ちゃんの役をいただいた頃、ちょうど結婚を控えていた私にとっての理想のカップル像なのですが、
この2人のあり方をプラスアルファで知ることができ、より一層愛おしく感じるようになりました。
原作では、佐竹が死にかける→千恵ちゃんはサポートor何もかも終わったあとでお見舞い…というシーンがほとんどですし、
「平和な世界」の住人なので、そんなにドラマティックなことになりません(佐竹の人生をドラマティックと言わないところに感覚の麻痺を感じるのは一旦置いておいて…)
だから、アニメ版は「もしも彼らが、まるで映画のような危険に満ちた状況に置かれたら?」という(原作側から見た)ifとしても見つめることができました。
原作の看板キャラクターにして、大いにバズったことにより私の人生までも引っ張りあげてくれた佐竹博文という人物の魅力。
私はこれまで
「死にそうで死なない、ちょっと可哀想なおもしろ一般人」という、とてももったいない特徴でしか彼を捉えていませんでした。
ものすごく反省。
確かに、腕っ節も強くなければ特別頭が賢いわけでもない。
でも、
嬉しいことをされればお礼を言い、死を前にして恐れ泣き叫んで、恩を受ければ返そうとし、目の前で誰かが困っていれば当然のように手を差し伸べる。
そして、愛する人を守るためなら、真実を知る極小数の人以外から極悪人と思われてでも、真実を隠し通して死刑台に立てる。
何度死にかけても、どんな困難にぶつかっても決して損なわれない彼の「平凡な善良さ」がどれだけ尊いか。
この結論に至るヒントは原作にもいくらでもあったのに、そこに気づかないでいたことが悔しくて、自分を背後からハードグリングリンしたい気持ちになりました。
佐竹の魅力を知り、大好きになる12週間。
それがTVアニメ版を視聴していた時間でした。
そして、千恵ちゃんのこと。
原作においては彼女こそ佐竹が死にかける「異常」の外側にある「日常」の部分で、極限状態に置かれることが本当に稀なので、
佐竹と同じく極限状態に置かれた際に彼女どのような言動をするかを実際に目にする機会となりました。
(ちなみに、原作でのお気に入りエピソードは「熊から逃げて木に登って、負傷した佐竹を千恵ちゃんが応急手当する回」です)
危機に直面した時、自分のそばで誰かが困っている時、
佐竹と千恵ちゃんがする選択があまりにも同じで「ああ、この人たちは本当に似た者同士で、お似合いなのだなあ」
と実感しました。
この2人は、一緒にいるべくしているのだ!
何があってもこの2人は引き離せない。
佐竹には千恵ちゃんが、千恵ちゃんには佐竹が必要。
「ふたりが一緒だから愛おしい」
元々この気持ちは持っていましたが、
この気持ちがとてつもなく大きくなったのが、このアニメを見た中での大きな変化です。
原作、早く結婚して!!!
4.他の方の演技でキャラを見ること
小倉唯さんの千恵ちゃん!!!!
めちゃくちゃ!可愛くてかっこよかったーーー!!!!!
かわいくて、芯が強くて、ジャックに拘束されても臆することなく啖呵を切れる…
とっても素敵な千恵ちゃんでした。
「あっこのセリフ私も演じたかった!」
…とはもちろん思いました。
でも、
千恵ちゃん自身の魅力によって、私は元々千恵ちゃんのことが大好きなのに、
完成した動画で千恵ちゃんの可愛さを堪能しようとすると自分の声が介在することでいまいち集中できない…というジレンマを抱えていましたので、
自分というノイズのない環境で千恵ちゃんに狂喜乱舞できたことはとても幸せな時間でした。
たぶん、この体験ができる声優はこれまでなかなか存在しなかったと思うのです。
キャストって(ダブルキャストでない限り)1キャラにつき1人が原則で、通常は「交代」するものなので、
「あっ、こういう風に表現するんだなあ…自分だったらどうするかな」が、
「たられば」でなく現実として未来へ続くのは、これまで経験できた声優はあまりいない事例だと思います。
とても幸運な事です。
今後は
小倉さんの千恵ちゃんが好き!って気持ちと、原作の千恵ちゃんをこれからも大切に描きたいという気持ちは普通に共存しますので、
これからも千恵ちゃん好き好き代表として、YouTubeの千恵ちゃんと向き合っていきます。
早くウエディングドレスが見たい。
てゆーか!!!!
私個人の解釈ですが、
最終回のドッペルゲンガー?!平行世界?!という演出を見るに
私たち原作キャストがこの物語にキャスティングされなかったことは、アニメバグ大の世界を成立させる重要な要素ですよね?!
あっ個人の解釈ですよ!
大事なことなので2回言いました。
このことに思い至ると、唐突に第四の壁を飛び越えて来られたような気がして、うわぁぁぁ!って声が出ます。
ちなみに、一番言いたかったセリフは「愛してる」です。
ふたりが抱擁するシーンで泣きました。
これから先、自分を奮い立たせたい時は、10話の手榴弾のシーンを観ようと思います。
ここ一番のシーンでOPが流れ出す演出はオタクならみんな好きです(クソデカ主語)
めっちゃ元気が出ます。
5.まあなんかそれはそれとしてアニオタの感想
アニメに声をあてたいと思ってこの道に進む人間は、大なり小なりアニメが好きだと思いますので、
例に漏れず、その側面からも私はこの作品を楽しんでいましたが、
・上京したての心細い頃に、羊でおやすみシリーズで幾度も心を支えてくださった髙坂篤志さんのお声を毎週聴けて嬉しかった
・邪悪だし千恵ちゃんを酷い目に遭わせた廉で中指案件のジャックに、声の良さでときめいて脳がバグる
・ポップアップストアで販売された「幸運のコイン」の物語上の重要性が、ストア開催期間ではまだ十分に登場せず、みんなーっ!通販で買ってくれーっ!と身悶えする
などの事件が発生しておりました…
楽しかったです…コインのチャーム、ホント買っといてよかった…エモエモのエモグッズ…金属製のバージョンも売ってください…普通に欲しい…
また、
芝居分野の人間として、イケメン・かわいい子を演じることの多いキャストさんたちが、そうではないキャラクターを演じることができる(第一線で活躍される方なら当然それができると、同業者は知っている)ということを、
その方々のファンの方が知ることが出来た(Twitter等で仰っているのを目にできた)のが嬉しいなーと思ったりもします。
かっこよかったりかわいかったりだけじゃないんだぜ!
いろーんな表現があって、あなたがたが好きな第一線の声優さんにはそれができるんだぜ!
声優さんは、芝居に生きる役者という生き物の力はすっげーんだぜ!
っていうの…伝わってすごい嬉しいのです…
DLEさんの作風で、絵が「ぬるぬる」動く!ということはないのに、それを忘れるのはやはり声優さんのお芝居(そして、私が気づけない多くの他のセクションの効果)によるものだと思います。
声優さんの技術やべー!とオタ視点で一旦手放しで驚いたあと、「私も頑張るぞ…」と研究してみたり、帯を締め直したりの日々でした。
あと吉田くんのアイマスクがあまりにも可愛かったので、買えるところがないか探しています。
アニメに夢中になるのは、やっぱり楽しいです。
6.まとまらないまとめとたったひとつの願い
作品を好きになったオタクが、最終回を迎えた際に抱く当然の願い。
「2期をください!!!!!」
どんどん声に出していこうと思います…
他のキャラクターたちが動き出しても嬉しいし、佐竹たちの物語が続いても嬉しいのです。
自分が関われるかどうか…もあるけれど、
なんだかもう、純粋に視聴者としてその願いを抱いている方が大きいかもしれません。
あと今作の円盤をいつまでも待ってます…
この作品の視聴者になれて、原作側関係者としてお祭り騒ぎをして、アニメ化を原作視聴者さんと一緒に喜べて、声優として貴重な体験をできて、
あらゆる角度からとてもハッピーでした。
この作品を生んでくださり、
本当に、本当にありがとうございました。
たくさん素敵なものを受け取ったから、私もがんばるぞっ!