朝からずっと花粉症で目が痒くて、眠くて、
こりゃ今日はもうダメだと早々に諦めて
画集をめくる事にした。
なかなか画集を見るための時間を取る機会がないので
これはこれで良い時間。
古い。
1996年に名古屋市美術館で開催されていた、フォルクヴァング美術館展の図録。
19C〜20C初頭の代表的なドイツの画家をはじめ、ゴッホ、ゴーガン、モネ、ルノワール、ピカソ、ダリ、ミロ、ムンクと錚々たる作品が集結した、豪華な展覧会だったようだ。しかし覚えていない。なんともったいない。
フォルクヴァング美術館は1902年にドイツエッセン市に設立された美術館で、
設立者のカール・エルンスト・オストハウスは
『時代の最大の問題は、美術を生活の中に引き戻すことである、美術館は今後その課題のために尽くさなければならない』という理念を持っていたそうだ。
設立から120年余り。
ドイツではその後、人々の生活の中の美術はどうなっているだろう。
日本は、生活と美術は大きく切り離されている印象だ。
ギリシャに住んでいた時は、教会が人々の身近にあったため
工芸も美術も、バジルを焚いた香りや祭司たちの歌(と言っていいのか)とともに、人々の身体に自然と入っていた。
しかしこれも10年前までの話だ。
近年はスマホやSNSの普及もあり、急速に変化しているようだ。
ギリシャのラジオを毎日聴いているのだけど、クリスマスの時期に
『クリスマスは誰もひとりじゃない、私たちがいるよ』
などという文言で、イベントのCMが流れていた。
私が暮らしていた頃は、家族で過ごすのが当たり前の社会だったのにな。変わったのだろうな。
話を戻して
日本に帰って来てから
アーティストの端くれとして、美術と生活を近づけるためにできることは何だろうと自問自答させられる機会が頻繁に訪れる。ひとつやってみたい事は見えているのだけど、なかなか時間がかかる。
…と、その前に
今日は石とズマルトを少し割ったものの
ひとかけらも貼る気になれなかった
花粉症、手強い。。。