こんにちは!AtelierClipいいのたかこです。

週末旅の続きです。明けて土曜日、いよいよ楽しみにしていた「寒天工場見学」です。昨夜はトレッキング疲れで早く寝たせいか、日の出に間に合いました。八ヶ岳の向こうに朝日が昇るので、雲があればそこが朝焼けのようになります。が、今日も快晴!それほどでもなかったけど・・・いつ見ても清々しい気分になります。

かなりのんびりしてから、寒天工場イリセンさんへ向かいます。
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工場は田んぼの中、田んぼでは収穫を待つ黄金色の稲穂がまさにこうべを垂れています。
この会社は創業180年、建物も80年位経っているとか、作っているのは手作りにこだわった「棒寒天」を中心とした寒天商品。棒寒天はここ茅野市の特産品。元々は農家の副業として作られていたそうです。冬の寒さと、きれいな水・空気が生産にむいているそうです。ちなみに、糸寒天は岐阜の恵那市の特産、こちらはところてんを細くついてから作るので、そこまで冷え込まなくてもできるそうです。海藻が原料なのに内陸で作られているのは冬の「冷え込み」が必要だからなんですね。そして、粉末のかんてんは完全な工業製品なんだそうです。
 棒寒天の作り方は実際に使う道具を見ながら説明してくれました。
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テングサ、こんな風に乾燥してもっと圧縮された状態で納品されるそうです。天然のものなので収穫量、状態など毎年違うので、夏に材料を選定して産地などを決めるそうです。こちらでは、天草(てんぐさ)100%だそうです。 
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このテングサを大きなドラムでひたすら洗う、これもずっと使い続けている道具だそうです。きれいな天然水で一日洗い、どうやって出すのかと思ったら・・・
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逆回転すると自動的に出てくる優れもの。実はこの床の下は水槽になっていて、洗った後はそこで水につけてから、大きな釜で煮ます。
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この左側の樽みたいなものが釜です。そこを覗くとこんな感じ。直径2m深さ3m、お湯が沸くまでに9時間もかかるとか、沸騰したら天草を投入して、夜通し煮ます、煮加減は「湯気を見るとわかる」だそうです・・・以前は、この作業に当たる住み込みの方がいたそうです。
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煮あがったら、この巨大なクレーンで煮汁ごと汲み上げとなりの箱のようなもので濾してしぼります。この下はタンクのようになっていてそこに、固まる前のところてんが溜まります。
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固まらないうちに(このタンクで固まると大変な事になるそうです)このポンプとホースで、右に見えるブルーの箱に入れて、固めます。ここでできるのが、「ところてん」
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これをカットして、田んぼに干して、凍結、乾燥を繰り返すと、棒寒天の出来上がり。右のすのこの上にある細長いのがカットした後のところてんの見本です。
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伝統の道具、その昔は養蚕で使っていたものだとか。
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「排水の田」とありますが、ここから出る排水には塩分が含まれているのでここで時間をかけてきれいにしてから排水しています。ちなみに、絞ったあとのテングサは肥料として使われているそうです。

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棒寒天(そのまま)入りスープと胡麻ドレッシングでいただくところてん(画像なし)、フルーツ寒天とクルミと豆腐寒天(地元のおもてなし料理)フルーツ寒天は、ほおずき入り。くるみと豆腐寒天は、色合い的に不祝儀に使われることもあるとか。棒寒天は戻して固めてと手間がかかるイメージがありますが、実はそのままも食べられるって事をどんどん消費者に訴求していきたいそうです。「ですよね~(深く賛同)」 写真を撮り忘れた、ところてんは、天突き体験させてくれました。

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完全無添加なので、なかなか流通は難しいそうです。日持ちは2~3日だそうですからね。

 

説明してくれた方は会社の代表に就いて6年とか、別の業界に居た方なので違う角度から家業を見て様々な改革をされてきたそうです。こんな風にエンドユーザー向けの企画もその一つ、色々なレシピを開発して紹介したり、使いやすい商品を開発したり、直販所を作ったり・・・一生懸命作っても使い方がわからなくて買ってもらえないのでは意味がないし、健康に良い事は間違いないものだからこういう取り組みは嬉しいですね。

 思った以上に沢山の収穫のあった「工場見学」、直売所では色々買って帰って来ました(笑)本当にありがとうございました。棒寒天を作っている冬にまた是非伺いたいと思っています。

 

 今どきは、若い人だけじゃなく、昭和生まれでも「棒寒天」をいきなり渡されたら戸惑うのでは?ふやかして、煮溶かして固めるって聞いたら「面倒くさい」と思いますよね?でも、それだけじゃない色々な使い方があるので、棒寒天、スーパーで見かけたら使ってみて欲しいな。

ちなみに、賞味期限はほぼないそうです。表示上は書かないといけないから最長の3年が記入してありますが、過ぎても全然平気です。

 私の知ってる一番簡単な使い方は、「炊飯時にちぎって入れる」これだけ、ご飯ツヤツヤ美味しくなります。これ「平成の米騒動(H5年)」の時に教えてもらいました。不味いコメでも美味しくなるって、でも、食感UPだけでなく、便秘解消、血糖上昇抑制、ダイエット効果などあるそうですよ~

ちなみに、棒寒天の摂取目安は一日2g、大体1/4くらい。これくらいなら、ちぎって、みそ汁やスープ、ふやかしてサラダに入れるなど簡単に食べられます。

 

イリセンさんのサイトです。レシピもあります。

 

乾物全般に言えますが、イメージと違って面倒くさくはないんですが、寒天はその中でも一番お手軽なものかもしれないと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。今日も楽しい一日になりますように。