熱意は天に通じる | 境目研究家@ありさん。

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世の中色々な境目があります。成功する人しない人、うどんの関東ダシと関西ダシ、氣になる境目研究します。

【今日の良い言葉 646 (280)】

おはようございます。

今日も倉敷からの配信です。

昨日の資格試験は無事終了しました。
一歩一歩終わっていく感覚はいいですね。

今日からは木曜日の社内発表大会に向けて
100%で取り組みます。

完全燃焼して参りましょう。

さて、今日の良い言葉は
久しぶりに雑誌『致知』よりの
お話のシェアです。

新しいものを創造していくためには
”熱意”が必要です。

そのことを改めて
思い起こさせてくれたお話です。

やはり読書は最高ですね。
これからもパワーをいただいて参りましょう。

新しい週が始まりました。
皆様の今週一週間が愛と光と忍耐で
喜びに満ちた週となりますよう
お祈り申し上げます。

コメント楽しみにしております。
 

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熱意は天に通じる

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【村上】川口さんは、
先代や先々代がつくられた
よい場を生かして、
「はやぶさ」のプロジェクトを
見事成功に導かれましたね。
 
ご自身ではプロジェクトを成功させる
秘訣(ひけつ)をどうお考えですか。
 
 
【川口】難しい質問ですね。
私はもともと研究者で、
組織運営型の人間ではありませんから(笑)。

ただ、
これまでにいろいろなプロジェクトを
立ち上げてきて分かったのは、
プロジェクトリーダーというのは
映画で言えば、
魅力的なシナリオをまとめる
プロデューサーだと思うのです。
 
  
【村上】なるほど、
プロデューサーですか。
 
【川口】プロジェクトの参加者は
それぞれにやりたいことを
いっぱい持っているわけですよ。
 
それらを実現できる範囲と手段を
見極めて、
いかに上手くブレンドして
何もない無のところに
一つの作品をつくり上げるか。

そのシナリオが
一人ひとりの夢を託せるものであり、
誰が見ても意義があると
思えるものであれば、
もうそこから自然に走り出していく
でしょうね。
 
 しかし実際はもの凄く大変です。

それをどうやって実現するのかと
いったら、
やっぱり熱意ですよね。
 
なんとかこのプロジェクトを実現したい
という強い思いが次第に形になり、
一つのものができあがっていくプロセス。

ここが一番創造的で
面白いと思うんですね。
 

【村上】おっしゃるとおりだと思います。
 
大学で研究費を獲得するためには、
まずアイデアとその方法論が
しっかりしていなければなりませんが、
やはりなんと言っても、
携わる人たちが
その研究にどれくらい懸けているかが
重要ですね。
 
特にリーダーがその仕事に懸ける熱意。

これがなければ
なかなかお金も取れないし、
逆に身銭を切ってでもやろう
という決意で取り組んでいると、
お金はついてくるんですね。
 
やっぱりこちらが熱意を持って
取り組んでいることは
周りに理解されるんです。
 
 
【川口】物事を成し遂げていく原動力は
やっぱり熱意ですね。
 
 
【村上】稲の全遺伝子暗号を
解読した時もそうでした。
 
あの時はアメリカが国家戦略として
情報を握ろうとしていたんです。
 
稲が分かれば大麦も小麦も
全部推定がつきますからね。

けれども稲は我われ日本人の主食です。
なんとしても日本が解読すべきだ
と考えて
僕は挑戦することにしたんです。
 
随分苦労したけれども、
熱意が通じて予算も付き、
多くの方々の協力も得られて、
明らかに劣勢だった日本が
アメリカを逆転して
解読に成功したんです。

やはり熱意は天に通じるんですね。
 
そして熱意は、
そのプロジェクトにやりがいを感じる
ところから湧いてくるのです。
 
 
【川口】おっしゃるとおりです。
 
日本の将来ということでは、
製造の国から創造の国に
変わっていくことも
非常に重要な課題だと
私は思うんです。

製造というのは前例があって、
皆がそれに沿ってものをつくりますから
価格競争になる道です。
 
そうすると
人件費の安いところに進出して
安くものをつくろう
ということになるんですが、
それだけでは勝負に勝てない。
 
イノベーション、
新しいものをつくる
創造の道を進むことが重要です。

 
【村上】川口さんは、
ナンバーワンよりオンリーワン
とおっしゃっていますね。
 
 
【川口】はい。
イノベーティブということは、
存在していないものをつくる
ということで、
そういう力が発揮できるような
人材育成をしなければなりません。
 
教育を変えるのは大変なことだと
思いますが、

やはりもっと既成の枠にとらわれない
新しいものを目指すような、
天(あま)の邪鬼(じゃく)な人間が
増えてくれないと
日本の将来は心もとないですね。
 

村上和雄 (筑波大学名誉教授)
川口淳一郎 (宇宙航空研究開発機構
シニアフェロー)

 
(月刊『致知』2013年10月号 連載「命のメッセージ」より