Milan2024《中編》
さてグローバルチーム会議の場所は、ミラノにあるグループ会社のオフィスで行われる。
会議スタートが8時半からなので少し早めに現場に着いたものの、すでにトップと数人のリーダーは到着しており、初めて訪問する私を暖かく迎えてくれた。
外人同僚A『Hello!』
自分「はろー!」
外人同僚B『Hi!』
自分「はーい!」
外人同僚C『Nice to see you again!!』
自分「ナイス トゥー シー ユー アゲイン!」
外人同僚D『How are you?』
自分「アイム リトル スリーピー バット…」
9割おうむ返しの挨拶を終え、パソコンを立ち上げプレゼン準備を行う。
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『おそらく冒頭で自己紹介を求められると思うから、何か用意して行った方がいいですよ』
渡航前に前任者からアドバイスを頂き、確かにそこでつかみが大切だな!と、自分で言うのもなんだが数枚のユニークな自己紹介スライドを作成してあった。
さて定刻。メンバーも揃い、会が始まる。
トップからの開会の言葉に続き、私の名前が呼ばれる。
トップ『彼はこの会議に初めて参加してくれる日本リージョンの新しいリーダーだ。みんなあらためてよろしく頼む。(英語)』
一同笑顔で拍手。さていよいよだ、軽く深呼吸をする。
トップ『ではさっそく最初の議案だが…(英語)』
…え?
ないのね、自己紹介。
※ ※ ※
自分『では続いて私から日本の報告をさせていただきます(英語)』
議案2番目が日本のターン。画面を投影し、自身のパソコンの画面だけに表示される英文台詞を読み上げる。
自分で言うのもなんだが発音はそこそこ伝わっているはず。リスニングもスピーキングも苦手(つまり英会話そのものがダメ)だが、書いてある英語をそれっぽく読むのはそこそこ得意である。DMM英会話の総時間プラチナランクは伊達じゃ無い。
時に感情を込め、時に間を取り、それっぽく話し、もちろん最後には『私の分かりにくい英語を聞いてくれてありがとう(英語)』で締めくくり、自身のパートは同僚からの拍手で幕を閉じた。
つくづくパソコン、パワーポイントのある時代で良かったと感じる一方で、こういう抜け道みたいなことができる時代だからこそ、ちっとも危機感がなくて、真剣に英会話を学ぼうと努力しないんだよなとも思った。
※ ※ ※
さて続いて『聞く』抜け道の準備だ。
パソコン上の『ポケトーク同時通訳』を起動する。代わる代わる各国リーダーからの進捗報告が続き、私のパソコンの画面には夥しい量の翻訳表示が流れていく。まさに映画の字幕のように会議内容を理解する。
時折り変な誤訳もあるが、流石に前後の文脈を考えれば私の乏しい英語力でもそこは補完できる。いやあなんて素晴らしく、そして恨めしい技術だ。こんな事に味を占めていたらますます英語勉強が遠のくじゃないか(笑)
そして途中ランチと3度のコーヒータイムを挟み、心配していたオールイングリッシュ会議は無事終了したのである。
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ミラノサローネは大きくいうと2つの展示会場がある。1つは『Fiera Milano, Rho』と言われる巨大な展示会場、まあ簡単にいうと日本の幕張メッセみたいなもので行われる。展示会場内に各社がブースを構え商品を展示する。ただし、その広さたるや中々のもので展示会場は東京ドーム11個分、幕張メッセの2.8倍とも言われている。そしてもうひとつの展示会場は『街中』であり、各企業が任意でここだという場所を借り展示を行う。それはお店であったり、路上であったり、廃墟であったり、美術館であったりと規模もレベル感も違う。よって文字通りミラノ市中が会場であり、綿密に計画的に回らないととてもじゃないが目的のものを見切れない。
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トップ『みんな今日の会議はお疲れ様。この後はドゥオーモ近くの展示を皆で見ようと思う。18:00に集合し、その後ディナーだ。』
皆わらわらとオフィスを出ていき、それぞれ勝手にドゥオーモを目指し歩いていく。土地勘もなく、Googleマップで調べるのも何なので、フランス人のリーダーと、何人だか分からないけどイケメンリーダーの後に続き、展示の場所へと移動する。
『ヘイ、みんな!ちょっと寄り道して行こうよ!』
フランス人リーダーとイケメンリーダーはドゥオーモの隣、ガレリアのビルへと入っていく。
え?ここってバーでは?待ち合わせ時間まであと30分何だけど。
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『わ!すげー!イッツ ソー ワンダホー!』
と思わずバイリンガルで感嘆したのは“Aperol”なるイタリアのリキュールを初めて飲んだ事と、そのロケーションがあまりに素敵だったから。
ドゥオーモのすぐ横の、しかもこの高さ(4Fくらい?)にバーがあって、オープンエアでカクテルを飲めるなんて、最高ですよ。良い店を教えてくれてありがとう。アペロールカクテル一杯20ユーロ(≒3,200円)は高いけど、まあこのロケーションなら場所代と言われても納得である。いつか円高になったらプライベートでまた来たいね。
結局待ち合わせには30分遅れで到着したが、展示物をみんな思い思いに見ていたので問題なし。
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その後ディナー会場はトラディショナルなイタリアンレストランで楽しく談笑。もちろん自分以外は外人ばかり…なのだが、文法も単語も(ある程度)メチャクチャでも通じればいい“呑み会英語”であればどんとこいで話せるわけで、深夜まで続いた宴だか、かなり楽しく時間を過ごせた。
さて明日から8日間視察業務。頑張りますか。