ポポポポーンでちょっと冷静さを取り戻した志村。
ベッドに座ってうなだれた。
でも私はこんな光景見せられてドン引き
何こいつ、何なのこいつ、キモすぎる。
マジ無理、マジ無理、マジ無理!!!
もう怖すぎ。ほんともう離婚して欲しい。
でも、でも、でも、現実はどーなるの?
ぶっちゃけ、経済的に無理じゃん?
どーしよう、どーしよう。でもほんと無理。
と、現実の厳しさについての不安でウジウジしていた。(元々凄い優柔不断な性格)
そして、とにかく現実に離婚となった時に、より一層有利になるには?と、そんな事ばかりを考えていた。
夫は夫で、家庭での信用は無くなり、私とは常に探り合い、嘘が嘘を呼び、何が何だか訳が分からなくなり、グリコのメンヘラ気質を移されて、自分もメンヘラ化して、日々、あっちもこっちも追い込まれて、もはや自力で解決の糸口を見出すことは不可能な単なる獰猛な野生動物の様になってしまっていた。
そして私が話しかけた。
「で、何がしたいの?」
志村「わかんない」
「わかん無くないでしょ、どうしたいの?」
志村「.......」
「じゃあさ、とにかく、謝って」
志村「........」
「まず、私と子供たちを裏切ってグリコさんと浮気したことを認めて謝って。」
志村「......悪かった。」
「認めるの?」
志村「....うん。」
おほっ
よし、本人の口から改めて浮気したことを認める言葉をGET!!!(録音中)
ε=\_○ノ ヒャッホウ!!
よーし!
じゃ、この調子で次、いってみよー!!!
ジャンジャンいくよーっ!
「じゃあさ、今後についてはどうしたい?」
志村「........」
志村は黙ってばかりいた。
しかし私の心の中はこうだった。
離婚したいってお前から先に言え!
お前から先に言い出せ!!!
さあ、早く!!!
さあ!!!
志村「..........」
「ねえ、どうなの?早く言ってよ。」
志村「..............」
チッ、なんだよ、さっさと言えよ。こっちは証拠が欲しいんだよ!お前が不貞行為して、有責配偶者の癖に自ら離婚申し立てたっていうクソ音声がよ!!!!
って思ってました。
しかし、どうやら志村も似たようなことを考えていたようで、
志村「お前はどうなんだ?」
とか聞いてきた。
もう両者1歩もひかず状態。
先に離婚って言った方が負け!みたいになってた!
そして睨み合いが続くかと思いきや、志村がとんでもない行動を起こす。
志村「おい、どうせお前、また録音でもしてんだろ?」
「はっ?」
そう言うとベッドから降りて来て私のズボンのポケットに手を突っ込み無理やりガサガサと漁ってきた。
私は身体をよじらせて
「や、やめてよ!!!そんな事してないから!!」
ぴ、ぴーんち!
夫はいとも簡単に私のポケットからiPhoneを奪った。
そして画面を見て
志村「ほら、見ろ、やってんじゃねーか!!!!なあ?おい!!!貴様!!!」
「.......」
すると、志村、クリリンの仇とばかりにスーパーキチガイ人発動して、ま、髪の毛とか全然金色とかにはなってないんですけどね。
志村「こ、こんなものおおおおおおおお!!!!!」
と言うと、私のiPhoneを両手で半分に折り始めた!!!
.....∑ヾ(;゚□゚)ノギャアアーー!!
しかしね、iPhoneってね、簡単に折れなかった。
なんか、ちょっとね、あの薄さ?折れそうなんだけど、硬いカバーとかにも守られてるからかな?
全然折れなかった。もう志村懇親の力でiPhoneふんぬーって、ふんぬぬぬぬっ!!って顔真っ赤。
けど、なんかね、うん、なんだろ、大男が両手で携帯持ってるだけっつー見た目になっちゃってる。ちょっと"ふんぬぬぬ"っていう事にはなってるにはなってる。
で、さすがにこの時、折れないと気づいたわけ。本人も。
そしたらあろう事か、なぜかパソコンデスクに置いてあったマイナスドライバーを手に取った。
おい、まさか....
そしてパソコンデスクに私のiPhoneを置くと、凄い勢いでドライバーでガンッ
ガンッ、ガンッ、ガンガンッ!!!
と、刺し始めた。
狂っとる......
しぇー オワタ.....
データはね、データはね、CLOUDにもね、Googleにもね、ちゃんとある訳。ばかだね、と。iPhone壊したって証拠は守られてるのにね。
けどね、唯一、ネットバンキングの再登録めんどくせぇー....ってな事を考えてました。
案外冷静。
で、ドン引きながら少し後ずさりしてチラッとベッドの脇に目をやると、そこには夫のiPhoneが置いてあった。
( ゚∀ ゚)ハッ!
これは、やばい。あいつ、この流れで自分のiPhoneも破壊しかねない。そしたら新しい証拠が無くなっちゃう。とりあえず、これは守んなきゃ!
そしてもう少し後ろに下がってコッソリと夫のiPhoneを取った。そしてタイミングを見て夫の背後を、
ドキドキ.....
一気に.........
ドキドキドキドキ.........
それっ!!!
っと駆け抜けた!!!!
ε=ε=┏(゚ロ゚;)┛にげろー!!!!
そしたら志村、速攻破壊行為をやめて追っかけてきたー!!!
キターヾ(°∀° )/ー!
キター(°∀°)ーー!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
キャー(|| ゚Д゚)(;゚Д゚)!
で、寝室出たとこで余裕で速攻とっ捕まりまして、ほら、あの例のぶっ倒れた廊下。みんなが涙流したあの廊下ね。
そこで軽く取っ組み合いみたいになりまして、志村が力任せに私の手からiPhoneを取ろうとね、グイグイするわけですよ。一応私もね、アイドルかなってぐらい、マイクの代わりにiPhone両手でがっちりホールドしてたんですけどね、勝てるわけない。勝てるわきゃーない。
で、私、iPhoneごと、UFOキャッチャーかなってぐらい持ち上げられまして、空を舞うってこの事かな、と。ま、一瞬ジタバタとね、軽く足とかブラブラっとしまして、こりゃまずい。こりゃー事件ですね。と。
すんごいでっかい声で2階のおっきい子に向かって
「ひゃ、110番してーっ!」
「ひゃ、110番!!!」
「早く110番しなさいーっ!」
って叫んだ。
決して愛ではなかった。
あー、愛、叫びたかったなー。愛。
山田孝之と。