ガーンハッハッハッ「えっ、えっ、なになに!?」

滝汗ハッ「ど、ど、ど、どーしよう!!!」

このあまりにも咄嗟の出来事に対処できず車内はパニック。


ガーン「と、と、とりあえず外見といてね」

滝汗「お、おっけー」


そして一本目の角を曲がった。
車はゆっくりと住宅街を進んでいく。


滝汗「ねぇねぇ、こんな住宅街になんで志村がいるんだろう」

ガーン「まって、何かのお店とかホテルとかあったかなぁ、あの通り....」

滝汗「マップで見る限りだと、、、」


そして私はGoogleマップを拡大していく...
するとその近辺に何件か居酒屋さんらしき店が点在していることが分かった。



滝汗「な、なんか居酒屋さんとかファミレスとかいくつかあるよ」

ガーン「じゃあ、パパ達はそこにいるってことなのかなぁ?」

滝汗「待ってね、、、」


と、私はGoogleマップアプリをひたすら更新し続けた。


程なくしてKee君の知り合いの自宅だという目を見張る程の大豪邸に到着した。


キョロキョロ「Meちゃん、ごめんね、ちょっと書類を渡してくるから車で待っててね」


そう言ってKee君はとんでもない大豪邸の中に入っていった。


滝汗な、なんちゅー豪邸.....

その間も私はひたすら更新、更新、更新。
引越しおばさんをも凌ぐ更新更新、さっさと更新、コーウーシーンっ!!っつって。

でね、私が見てたGoogleマップアプリの移動履歴は、こんな感じだったわけ。
ちょっとした絵心、赤裸々に披露しちゃうわけなんだけれども。惜しげも無く、年甲斐もなく。



①が自宅。
そしてバスで駅まで行って、電車に乗る。
②が幕の内弁当駅。
そこから謎の自宅付近経由からの③
恐らくタクシーを使って移動している。
(③の近くの横線は別の路線)


こんな表示。
もうね、リアルタイムGPSじゃないから、使い方もイマイチなんだけど、とにかくこんな感じ。



で、まあ、結論ぶっちゃけると、私も必死に更新しまくっちゃってるから、結局同じアカウントで2台同時にログインしちゃってて、自分のルートも混ざって表示されちゃってんのね。これ。



でも、気づいてなかったね、この時。
がっつり信じてたね。
ピュアっていうのかな?
例えるならね、もうね、ほんと聖子。
ピュアピュアプリーズ言ってた。
口酸っぱく口ずさんでた。




だから、戻ってきたKee君に言うよね。


ゲロー「Kee君!!!志村がすぐそばに来てる!!!」


ってさ。
まさかの自分だよね。
そりゃー、少し前にそこの道通ったもの。
マップ、リアルタイムじゃないもの。ねえ。


でも私を信じてるKee君は

ガーンハッ「えええっ!こんな場所にっ!?」

とかって青ざめてるわけ。

もうね、ちょっとした寸劇始まっちゃってるわけ。
あれれ?私、座長だったっけって。

しかも、ほんと、こんな場所に!?って場所なの。もう、信じられないぐらい暗闇。これでもかってぐらい暗闇んでる住宅街。人っ子一人いないの。


で、Kee君はこれまた親切に私の言う通りに付き合ってくれて、




「次はあっち!」


ガーン「おっけー」



その次はこっち!


ガーンひぇーこんな場所にぃ~!?



「近い近い!!!」
「危ない、危ない!!!」

ガーン「えええええっ!!!」




とかって、もう、すっかり探偵物語なっちゃってるわけなんですけれども、完全なる勘違い。
もうすごい大物来たと思って船長呼んだら長靴釣り上げたっつーぐらいの壮大な勘違い。

夢の国をデニーズだと思ってるお年寄りぐらいのマップの使いこなせてなさなわけ。もう。

そんな感じで、志村なんでこんな住宅街うろちょろしてんの説。ぐらいの爽やかな謎に包まれて優しさにも包まれて、きっと、目に映る全てのものがメッセージ。とか、あのユーミンも歌ってるわけで、

なんならあの歌詞は私の事なのかと。


そんな事でグルグルと同じ道を行ったり来たりして疲れ果てたKee君は、道を1本挟んだ通りの向こうにあるガーデニングセンターの立体駐車場に車を停めた。



ガーン「Meちゃん、ちょっと一旦様子見ようよ」

「おっけー」


キョロキョロ「パパはいくらなんでもガーデニングセンターには来ないでしょ」


「ですな!!!」


キョロキョロ「所でさぁ、なんでパパ達はこんな場所にいるんだ?」


ここでやっとKee君が気づくわけですよっと。
そりゃあそうだ。完全におかしな事になってる決戦は金曜日。

気が多い私なりにまわってきた道ですよ、と。ドリカムの心さえも鷲掴みにする私の行動ルート。


ちょっとした巨大迷路かってぐらいの狭い範囲ですったもんだとうろちょろしまくった2018秋。


後悔などしていない。だが、反省はしている。(後日談)




キョロキョロ「Meちゃん、ちょっとさ、そのマップ見せてくれない?」


「おうよ!がってんだぜ」



で、携帯を渡しまして、


キョロキョロ「.........」


「..........」



3分少々待ちまして、



沈黙を破ったのはKee君なわけでして、






びっくりハッ「Meちゃん?」




「なんだい?」









ガーン「これは、完全に俺らが今通ってきた道なんだけど、、、」