次の日、夫が仕事に出かけた後、昨日のコンビニの時の通話記録を聞いてみた。

私は祈る気持ちだった。



どうかチキンをむさぼり食っててください。
今なら40分ぐらいムシャムシャ音聴く自信と時間あります。わたし。





初めはホームセンターに行っていたので、いつも通りのエンジン音とラジオの音が流れ響く車内。


しばらくレコーダーを進めるとグリコから着信があった。



グリコ「ねぇねぇ、今日は会えないのぉ~?」ラブラブピンクハートラブラブハートラブラブピンクハート


一発目から甘ったるい口調で色仕掛けに必死なグリコ。中々のパンチ力www


志村「うーん、ごめん、今日は会えないんだ」


グリコ「えぇ~なんでぇ~?だってまだ16時だよ~?」ラブラブピンクハートイエローハーツ

(この時は、帰宅したのが早かったのです。)


志村「ごめん、どうしても都合が悪くてさぁ」


グリコ「あん、また奥さん~?」ハートブレイク


志村「う~ん、、、っていうか、これから家に税理士が来る事になったらしい。」









は?

まてまて、どした?どした?
全然税理士来る予定無いが。
つーか来る気配すらない。
むしろ最近音沙汰ない。
なんなら不安になるぐらい連絡してない。
領収書たまりまくり恐怖。



グリコ「え~そーなのぉ~?」ハートブレイクハートブレイクハートブレイク


志村「うん、なんか急に来る事になったみたいで、嫁に帰ってこいって言われてさ、」


グリコ「え~奥さんむかつくぅ~グリコちゃんとけんたんを会わせまいとしてるんじゃないのぉ~?」ムカムカ


志村「そんなんじゃないよ。ほんとに税理士が急で」


ほんともう、急。
こちらサイドとしてもすごい急なわけ。
ちょっと目離してる隙に空から女の子降って来ちゃうぐらい急。
ちょっと目離すとすぐに石光っちゃう。もうね、なんつーの?すごい浮力。石のざわつきが酷い酷い。
油断してるとすぐ海賊とか戦艦とか追って来ちゃうから。
後ね、なんか、グリコの焼きもちがすんごい。
嫉妬に次ぐ嫉妬。
背中からなんらかのデスオーラ出ちゃってんのかなってぐらい嫉妬がすごい。


グリコ「そ~なんだぁ~」ガッカリ。

志村「ごめんね」

グリコ「あん、でも、いいわ。明日会えるから我慢するわ」ラブラブ

志村「うん。」


そしてその後暫く2人は明日どの店に行くかと話していた。
私が迎えに行くことを暴露する様子もない。
私に促されて会う事になった様な事も言わず、最後まで私を売る事はしなかった。

ただ、1つ、どうしても気になる会話があった。



志村「ほんとにごめんね、ちゃんとお返ししますから」

グリコ「いーよいーよ!大丈夫だから。たまにはご馳走させてね」ピンクハート

志村「いやぁ、申し訳ない...」

グリコ「ううん、いつもご馳走してもらってばかりだからさ!」ラブラブラブラブラブラブ

志村「すいません、じゃ、お借りします。」

グリコ「いーってばぁ~!」ラブラブラブラブラブラブラブラブラブラブ



真顔なんだろう?この会話。なんか引っかかるなぁ。

とにかく、そんな感じで、後はお得意の指名が何本だのアフターがどーのこーのだの、店長がどーしただの、ラピュタはあの雲の中だの、あの石が欲しいだの、上弦の三はアカザだのとどーでもいい話しで終わった。


真顔とりあえず、夫がグリコに嘘をついた事は間違いない。
そして、今日、2人は会おうと思えば楽勝で会えたのに、夫は会わなかった。

今の夫は私サイドにいる。(と思う)
本当に家庭を選んでいる。(と思う)

志村が矢吹なら私は丹下。
志村が前田敦子なら私は康。
志村がグリなら私はグラ。
志村が甲なら私は乙。なんならグリコは丁。
志村が、、(思いつかない)

まあ、そんな気持ちだった。


私はグリコに嘘を付いた夫の事がちょっと嬉しかった。

こんな些細なことが夫への信頼が増した瞬間だった。



レコーダーを聞き終えると直ぐに義母から連絡があった。


おばあちゃん「Meちゃん、けんの様子はどう?」

真顔「うん、なんか金曜日にきちんと別れ話をしてもらう事になった。」

おばあちゃん「えっ、それじゃあ本当に目が覚めたの?あの子」

真顔「うん、多分ね。今回は私もそこに迎えに行く約束してるし、本人もきちんとしてくれるって言ってるから、信じてみようと思ってるんだよね。」

おばあちゃん「あら~よかったわぁ~本当に。」

真顔「家族の大切さに気づいたんじゃないかな?あとお金ももう無いんじゃない?」

おばあちゃん「そうそう、所で探偵さんの件どーなったの?」

真顔「うーん、どうしようかと思ってる。」


正直、私はこの時とても迷っていた。
あと1日でクーリングオフが出来なくなる。
このお金は有効な投資だと考えたかった。けれど、夫は今必死に葛藤しながらも、グリコと別れることを選択しようとしてくれている。

滝汗しかも、明日きちんと別れたなら、探偵の出番無くなるよね。

グリコの身元については弁護士照会で分かる様だし、、、、













真顔..........

















真顔「お義母さん、私クーリングオフするわ」


おばあちゃん「うんうん、そうなさい。けんも目が覚めたはず。Meちゃん、信じてあげてね。あの子をお願いします。」


そして私は探偵事務所に連絡し、クーリングオフする事にしました。
探偵さんはかなり困惑した様子で、クーリングオフするのなら、ハガキに一筆「クーリングオフします」と書いて送るという事と、早急にGPSを返送する事を指示してきた。




大丈夫。
夫を信じる。



その夜、珍しく夫はKee君を飲みに誘った。