翌日は、法テラスに行く日だった。
待ちに待ったこの日。
私は以前の公民館での無料法律相談の時に準備した書類を再度確認し、忘れ物がないか見直した。
法テラスの予約は午後からで、偶然学校がお休みだった長女にチビ助のお世話を頼んで1人で出かけることにした。
その時ちょうどKee君から電話があった。
「今日、パパの仕事の様子見に行ってくるよ」
「えっ、どうして?」
「うん。なんかね、薔薇ちゃんから、パパの様子がかなりヤバいらしいって聞いたからね、どんな感じなのか見に行くんだ。」
「そ、そうなんだ....」
「うん。仕事中にさ、携帯ばかり弄ってたり、忘れ物したり、色々とボロがではじめたみたいなんだよね。」
「す、すいません、ご迷惑お掛けして...」
「仕事は仕事だからさ、お客さんも見てるからさ、きちんとやってくれないと困るよね」
「ほんとだよ。何やってんだろ、あのクソボケ」
志村は志村で連日の寝不足、私やグリコへの嘘の蓄積で仕事にも集中出来ない程自分の首を絞め続けていたようだ。
まったくけしからん。
「あ、そうだ、ところでね、今日これから法テラスに行くんだ~」
「あれ?今日がその日だったっけ?」
「そうなの~!女性の弁護士さんだし、どうなるかなぁ、楽しみ~」
「Meちゃん、また暴走しないでよ?」
「うふふふふ」
「で、何時からなの?相談は」
「えっと、あと1時間後ってとこかな?」
「それならさ、俺ちょうど方角同じだから乗ってく?」
「ええっ、い、いいの?」
「い、いいよ...」
そして私は法テラスにドナドナされるのだった。