ふーん。
そーかい、そーかい。
分かりましたよ。と。
洗濯物の山影でひとしきり1人ため息ついたね。
もう、それ以外に適切な言葉がないわけよ。
こればっかりはどうにもこうにもなりゃしない。
この禁断感。久しぶりのトキメキに心踊ってるんだろうね。
とにかく夫はどうしたいんだ?
イマイチ見えてこない。
って事で、
じゃあぐっすり眠ってるならと枕元に大事に置いてあるiPhoneを拝借して、LINEをね、開いて見てみたわけです。いそいそと。
そしたらさ、なんつーか、あったよね。
禁断のやり取りっていうの?
おじさんとおばさんの赤裸々な会話があったわけです。
閲覧注意
ちょーこえええええ
これ、なんてメンヘラ?
怖いから皆でお手手つなぎなさいっ!
((;°Д°;))カタカタ
ブラジルのみなさーんにげてぇええ!!!
これは、なに?油断っていうの?
戦国武将で言うところの、あいつが織田なら私は明智かってぐらい油断してる。がっつり油断してる。もう9%に負けてる時点で油断してる。
仮にも大家族っていうね、この一国一城の主。
もうね、本能寺がら開きだった。全然鍵閉めてなかった。なんなら門番居眠りしてた。
もう、岡田が。あの岡田が閉店ガラガラっつってるぐらいのセキュリティだった。
歴史変えられなかった!あべし。
とにかく、私はそれを自分の秘密のアドレスに転送。
送信履歴もサクッと消して元に戻した。
それから再び2階に上がり考えた。
とりあえず、やつは今、私にもいい顔してる。向こうにも都合よく言ってる。それは間違いない。
ま、こっちにはバレバレなのだけれど。
けど、バカ女はまだ分かってなさそう。
そしてKee君にも打ち明けた事で、多少なりとも罪悪感が生まれてるはず。
ちゃんとダメなことしてるって分かってる。
その上で今、まさに天秤にかけてる。
どうしたもんかと迷ってるね。
もうさ、お前、どの位置にいんの?って話なんだけど。
100歩譲ってやる。
どうせ迷ってるならとことん迷わせてやろうじゃないの。
掻き回してあげる
私は翌日、志村の唯一の友達である幼なじみに連絡した。