隣町の公民館にはGoogleマップを見ながら何とかたどり着きました。(極度の方向音痴)

義母は既に到着していて、公民館の中で掲示板に貼られたカルチャースクールの募集チラシを眺めていた。

滝汗「あっ、お義母さん、もう着いてたの?早かったね」 


おばあちゃん「そうなの、もうおかあさん心配で心配で、だいぶ早めに家を出たわよ~!遠いわね、やっぱり。」


真顔「そうなんだ、無事に来られて良かったね」


おばあちゃん「そんな事より、Meちゃん、電話ではだいぶ痩せた様なこと言ってたけど、そんなに変わってないじゃない!


真顔「そうかな?6キロほど痩せたんだけど」


おばあちゃん「あらあら、Meちゃん元から細いから分かりにくいのかな?」


ていうか、言うほどやつれてないじゃない?ニヤニヤみたいな、嫌味なのか褒めてんのかわからない会話をされながら受付を目指した。


真顔「あ、すみません、今日無料法律相談の予約をした志村と申します」


受付「はーい、ではあちらにお掛けになってお待ちください。」


そう促され、壁際に並ぶパイプ椅子に義母と並んで座った。


向かい側の壁にも同じようにパイプ椅子が並べられてあり、男性が1人大きな紙袋を持って座っていた。

それをチラチラ見ながら義母は私の耳元でかなりデカめのコソコソ声で

おばあちゃん「あの人も無料相談かしら?ほら見て!おいで紙袋持ってるでしょ?あの中に弁護士さんに見せる書類入ってるんじゃない?」

滝汗ハッまる聞こえだっつーの!


おばあちゃんあっ、見て!入口の看板に、法律相談と地域の相談は別ですって書いてあるわよ!?時間的にMeちゃんの予約もあるから、あの人、地域の相談かしら!?」


滝汗ハッ思いついたことベラベラうるせーよwww
3歳児かよ!!!ちょっと黙っとけよ!!!!


当然向かいの男性には丸聞こえ。
気まづい空気が漂う中、男性が先に呼ばれて部屋の中へ入っていった。

予約の14時を10分ほど過ぎた所で私達も呼ばれた。

公民館の受付の女性は部屋で待つ弁護士さんにへこへことエラく気遣い、60代と思われる男性弁護士も、これまた公民館の安そうな椅子に偉そうにふんぞり返って座っていた。

「失礼します、初めまして宜しくお願いします。」

無料弁護士「はいはい、どうぞ」

と言うと無料弁護士先生は椅子にふんぞり返りながら手元のストップウォッチのスイッチをポチー。そしてそのタイマーがこちらにも見えるように目の前のデスクに置いた。


今からたったの30分しかない。

私はこれまでの出来事を早口でバーッと説明した。

一通り聞いた無料弁護士大先生はニヤニヤと笑いながら

「へぇ~、旦那さん元気だねぇ、フフフッ」



滝汗こ、こいつ、、ダメそうだわ....


どの道、数日後には法テラスの弁護士さんと面談の予定もあったので、それまでに必要な情報だけ教えてもらえばいいかと諦めた。
とにかく、今知りたい事だけ質問しよう。


私「先生、私は相手女性を訴えようと思っていますが、今私の持っている証拠は、車内の音声と、LINEのメッセージと通話履歴しかありません。これだけでは足りませんか?やはり、探偵さんにお願いして写真を撮るべきでしょうか?」

と質問した。
すると無料弁護士は、私の差し出した証拠の写真をチラッと見て、

「う~ん、そうねぇ フフフッ」


滝汗えっ、なにを笑った?

私「ついでに、相手の本名やら住所なども知らないのですが、それを調べる手立てはありますか?」

私は事前にインターネットで弁護士照会について読んだことがあって、それについて具体的なことを教えて貰えるものだと思っていた。

しかし、無料弁護士大先生の回答は

「ンフフッ、まぁ、その時に探偵に頼めばどう?」



滝汗......

ご覧の通り、こんな残念な感じて20分程すぎた。


何を聞いても半笑いでニヤニヤして「そうかなぁ?」「そうねえ?」と答えにならない返事を聞いているうちに、ずっと黙って隣で聞いていた義母が痺れを切らして口を開いた。


義母「先生、お嫁さんはとっても良い子なんですよ~」

滝汗おい、なんだその切り口は....

と思っていると、


弁護士ハッ「えっ、あなたご主人側のお母さんなの?」


義母「うふふふふ、そうなんですよ。ご覧の通りお嫁さんとは上手くいってるんですよ~」

弁護士「え、そーなの?珍しいよねぇ、ご主人の浮気相談でご主人の両親来るパターン」

と言って私に「ねえ、そうでしょ?」と同意を求めて来た。

滝汗「あ、はぁ、まぁ、、、」

義母はその後も空気を読まずに「息子は今後どうなるんですか?」みたいな的外れな質問ばかり投げかけている始末。ゲロー

犯罪(みたいなもんだけど)じゃないんだから逮捕とかされないから!!!ゲロー


しまいには、どうにかして今後、安く弁護を請け負ってもらおうとしたのか、弁護士さんを必死におだて始めた。

そしてあっという間に約束の30分になった。
弁護士大先生はストップウォッチを確認し、

「では、まぁ、頑張ってくださいね」

と言うと、公民館の受付の女性を呼んだ。


すると、往生際悪く義母が

おばあちゃん「Meちゃん、また次回もこちらの先生を指名できるからね!そうしなさい!ほらっ」

滝汗「えっ」(心の声:やだよwww)

弁護士「いや、出来ませんよ..ここ、公民館の無料相談ですよ?」滝汗

滝汗「ですよねぇ...」

おばあちゃん「ええっ?私の町の公民館の無料相談は毎回指名できるのに!?!?」

滝汗「.....」

弁護士「.........滝汗





滝汗か、帰りたい......
恥ずかしい.......
義母という名の所詮は他人のお年寄り。
超めんどくさい......


そして無駄に5分過ぎ、

義母「もしも先生に依頼するとしたら、料金はお幾らになるんですか?」(恐らく義母がいちばん知りたかった部分)

弁護士「そうねぇ、まぁ、着手金30万ぐらいかなぁ?」

そのおそらく妥当な金額にびっくり仰天して

義母「あ、はい、ではさようなら~お世話になりました~」

と、そそくさと部屋を出た。


笑い泣き何コレ....


とにかく、この相談で得たものは、、

夫婦の持ち物の車で車内音声を録音したり、写真を撮ることは、証拠を得るための行動なので正当行為として認められる。よって犯罪ではない。

もしそこを夫に攻めいられても(個人情報だの人権侵害だの)、不倫の事実の方が重大なので、気にしなくて大丈夫なレベルだそうです。


「だから、水面下で頑張ってどんどん証拠を集めなさいよ。辛いだろうけどね!」って言われました。真顔


そして次は探偵さんとの打ち合わせ。時間もギリギリで私と義母は慌てて駅前のカラオケボックスに向かったのだった。