kobayashi080229

扶桑社発行、定価¥1,300 指南役著

久々にブックオフで本を買ったので、読書感想文でも。
いちおうマーケティングの本ですが、面白おかしく綴ってあります。

タイトルの透明人間とは、いわゆるサイレントマジョリティを指していて
消費において、そのほとんどを占めているにも関わらず
その名のとおり、声を上げて個性を謳わないが故に、黙視されがちな存在。
そんな透明人間に焦点を当てて、生態や行動を探っていきます。

「透明人間は、最近の宮崎駿は正直微妙と思っている」
「透明人間がレストランで注文するメニューは『私も』である」
「透明人間は、関ジャニ∞より本当は木村拓哉が好き」

なんて感じで、やや毒舌気味ながらも共感を得ながら話が進むわけですね。

そんな中で、面白いなと思ったことをひとつ。

ヒット番組をいくつも作り続ける某TVプロデューサーが、
その秘訣として「自分の頭の仲に1000万人を住ませる」と答えている。
受け手側は、どんな番組が見たいかと尋ねても、回答は個人的な趣味嗜好に基づくのみ
普遍的な答えが出るわけじゃない、それなら。。ということだそうです。

飲食店をやっていく上でもも同じことが言えるんだと思う。

店をつくったり、運営していく中であらわれてくる、様々な課題や選択肢
善悪や成否がはっきりしていることなら、ひとつずつカイゼンするだけなんだけど
どっちが正しいのかわからない、どっちも間違ってないと言えるってことの方が多い
そんな時の、考え方としてベースに持っていなきゃいけないのは
選ぶべきは「自分が好き」か「みんなが好き」のいずれかに当てはまるものだけってこと。

スタッフミーティングなんかしてる時に、何かのテーマに対して
「それについては、お客様が○○って言ってます」というのをよく聞きます。
お客様から、ご意見をいただけるのは、本当に、本当にありがたい話です。
提供側が、つい見過ごしてしまうことを、多くのお客様が気づいています
それでも、それを声にしてくれる方は、ほんの一握りなわけで
それを伝えてくれる方がいてくださることで、よりよい店造りというのは進むわけです。

でも課題を検討をする時に、前述のスタッフの発言は、あまりに情報量不足。
主語が「お客様が」という表現では、いただいた貴重なご意見が
そのお店の中で、個人のニーズなのか、大多数を代表したニーズなのかわかりません。
「○○さんが」「××さんなど5名のお客様が」「10人中8人のお客様が」
ニーズを捉えるには、あやふやな部分をつくらないことが必要です。

かなりざっくりで、例外があるのを前提で言うなら、
一部の人が好きとか嫌いって言ってた。ってのはあまり参考になりません。
それが「みんなの意見」であると思えば、素直に従うべき、
一部の人の嗜好なら、提供している自分達の考えを優先するべき。

あ。読書感想文じゃなくなってきた。

本の締めくくりにあるエピソードも良かったですよ。
ネズミの遊園地で、某国の国王が、警備警官にまわりを固められるわけでもなく
水筒を掛けた小学生や肩車された幼児と並んで、じっとパレードを待っていたそうです
やがてパレードが来ると、子供達が歓声をあげて、ネズミに手を振る。
同時に、国王も無邪気に笑って手を振っている。なかなか感動的な場面。
本当に優れた商品は、わけ隔てなく、人を幸せにしてくれる。
年齢、国籍、性別、貧富の差を乗り越えて、誰からも愛されるモノになる。

誰からも愛されるレストラン。

嗜好品のbarとは、また違う位置に存在している理想ですね。。


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