7月29日.
アメリカで無保険で出産することになった方々のために覚書を書いておこうと思います.
アメリカの民間会社の保険のほとんどは,妊娠を既往症扱いするので,妊娠後に保険に加入しても,妊娠・出産に関する費用はカヴァーされません.無保険で病院で出産するとなると,通常の分娩で1万から1万5千ドルくらいかかり,帝王切開だとその倍以上はかかるそうです(金額は地域によっても異なると思います).一括払いをするなどディスカウントのプランもあるようですが,それを使ったとしても高額なことには変わりません.
私たちの場合は,保険に関する誤った情報を滞在先の大学スタッフから聞かされていて,ある保険が妊娠もカヴァーできると信じてアメリカにわたったのですが,渡米後(正確には私が渡米し,妻が渡米する前に)に,実はその保険も妊娠・出産をカヴァーしないことを知りました(きちんと保険会社に確認しなかったのが悪かったのですが).そのときに私たちは腹をくくり,ならば自宅で産もうではないかと考えるようになり,自宅出産に関する本を読んだりしました.
妻が探した中でよかった本を紹介します.
日本での自宅出産の本.病院ではなく,できるだけ自然な形で出産することをすすめた本.
こちらは自宅出産限定というわけではなく,出産までの生活に関するアドバイスを書いたもの.
◎助産師さん探し
自宅出産することに決めましたので,バークレーで助産師さんがどれくらいいるのか探し始めました.いまはネットで検索することができるので大変便利です.バークレーあたりだと10人くらいは助産師さんがいて,ネットでの評判をもとに2人くらいに候補を絞っていきました.よくつかったサイトはBerkeley Parents Network で,このサイトには産婦人科,助産師,小児科などの情報があり,その評判も書かれています.
妻が渡米する前(5月のはじめ位)に,2人の助産師さんとの予約をとっておき,妻が渡米後すぐに2人に会って,正式に依頼する助産師さんを決めました.私たちがはじめにあった助産師さんは割りと人気の方でしたが,基本的には自宅出産ではなく,病院での出産に付き添うという方でした.私たちは自宅で産むことを希望していたので,この方ではなく別の助産師さんに依頼することにしました.
助産師さんだからといって自宅出産ばかりでなく,病院で生むこともできます.費用を安くしたいけど,自宅ではちょっと,という方は助産師さんに依頼して病院で産む,という選択もできます.ただし,その場合,どれくらいの費用になるかは正確なところはわかりません.自宅出産の場合は,助産師さんに支払う費用は4000ドルくらいが相場みたいです(家計の事情によってはディスカウントもできるみたいです).病院を使う場合,病院側に支払う費用が追加されると思いますので,その部分を助産師さんに聞いておく必要があると思います.
私たちが依頼した助産師さんは,写真にも写っていたように,2人ペアで産前の検診と出産に立ち会います.そういう意味では,心強かったですし,費用的にもお得な感じがしました(2人でも4000ドルでした).はじめの面談は助産師さんのオフィス(多くの場合,助産師さんの自宅)で行いますが,検診は妊婦さんの自宅まで来てくれます.病院に行くことも,待つこともしないですんだので,これも自宅出産のメリットだといえます.
毎回の検診では,血圧を測ったり,尿を検査したり(妊婦さんが試験紙で自分でチェックします),お腹を触って赤ちゃんの位置を確認したり,心音を聞いたりします.簡単な血液検査は助産師さんが行い,肝炎などの検査については,サンプルをラボに送るみたいです(私たちの場合は日本で行っていたので不要でした).超音波での検診も希望すれば他の病院などで行うこともできるみたいですが,私たちはしませんでした.特に助産師さんの診察について不十分に思うことはありませんでした.
出産については,事前に助産師さんから必要なものを教えてもらい準備しておきます.通販でHomebirth Kitというものが売っていて,それを購入し,そのほかにこまごまとしてものを買い揃えておきます.出産当日は,陣痛が始まったら助産師さんに連絡をして,様子を見に来てもらいます.私たちの場合は,すでに5分間隔の陣痛がはじまっていたので,そのまま出産の準備に入りました.
もしも,出産中にトラブルがあった場合は,事前に決めておいたバックアップ用の病院に搬送されます.ただ,多くの場合,出産中のトラブルは事前に予測できることのようなので,事前の検診で問題なければ,このような事態になることは少ないそうです.
長くなりましたので,無保険者にとっての正義の味方ともいえるMedi-cal(カリフォルニア州の公的保険)については稿を改めて書きたいと思います.