1.わたし、罪人?



ブルータス、あなたもか。。

昨夜、ある方が退会しますと最後のお詫びを突然あげた。

読んでも理由は分からなかった。ひどく悲しい。😢



13年間のブログ生活を振り返ると、繊細で素敵な文章を書くひとほど退会して行った。

退会しますと通告されるたびに、地面が地球の中心に向かって崩落した。

なんだかひどく罪びとのような、申し訳ない気もする。

わたしは、知らずと何か罪をおかしているん?

いや、わたしそんな大物ではないし。

わたしだけ?頻繁に起こるって何なん?

いや、わたし罪びとではないはずだし。



残されるみんなは、考えを尊重し今までありがとうというに留める人、辞めないでもという人。

みんなが言いたいことはよく分かった。

引き止めたいけれど、引き止めてはいけないことって確かにある。

それに、仮に当人から十分な退会理由を聞けたとしてもこの喪失感は拭えない。

ブログ空間で、お互い何気ない日々を文章で織りあっていた。

「あなた」がいつの間にか「わたし」の一部を構成していた。



昨夜、みんなは最後の書き込みをし、お別れした。こじんまりした通夜だった。

なんだか悲しくて切ない想いでわたしはふとんに入ったとほとほ。





2.いや、重罪でした



今朝目が醒め、過去を思い出し愕然とした。

夢の話では無く、リアルな過去をそんなふうに思い出す時がある。

目が覚め、でもまだ今の世界に入る前の、ちょうど中間にいる時にいきなり蘇って来る。



わたしがその子を呼び出したのでしょう。

わたしは、誰も居ない運動場でなにか言い掛かりをつけお腹をドンと突いた。

その子は驚きと痛みで泣きだした。

わたしは、あっけにとられた。可愛い子だった。

父親の仕事の都合だったのか、その転校生は1か月もしないうちに、またよそに転校して行った。



あれから半世紀。

なんてことしたんだろう・・詫びていない。

彼女からしたら、山奥の学校で理不尽にいじめられたと辛い記憶になっているはずだ。

いや、きっとトラウマになっているかもしれない。

なのに、わたしは名前も覚えていない、顔も思い出せないなんて。。謝るに謝れない。

ここに転校したことのある可愛い少女だった方、居られますか?

あなたではないですか?

ここで、謝るしかない。

これを読んでくださるといいのだけれど、わたし、ぜんぜん人知れずな存在だし。ごめんなさい。



小学3年生だったわたしは、どうアプローチしたらいいかわからなかった。

彼女は、外の世界から来たキラキラした異世界人だった。

じぶんが彼女を好きなのは間違いなかった。

好きな子をいじめる。

よく聞く話かもしれない。そのバカな話の主は、わたしだ。



じぶんが何を望んでいて、何をどうしたいのか分からなかった。

突き上げてくる好きという感情に納得できずに反発したんだろうか。

その子をどう扱ったらいいかが分からなくて癇癪起したのか。

なんにせよ、身勝手にもほどがあった。



もう大人だから、そんな矛盾した言動はしない。

でも、好きでもあり嫌いでもあるということも依然としてある。

愛憎、混じりあうわたしは、中二病どころか、小三病かもしれない。ならば、重症でかつ重罪だ。

判決下り罪人はふとんから出て、ふらふらとタバコとコーヒー求め換気扇の下に行った。

1日が始まった。わたしの地面はまだあった。

昨夜さようなら言ったひとの記事はすべて消えていた。




3.書くことは罪なのか?


ようやく居場所を見つけたような気がしてたのです。

なのに、書くことがどんどん辛くなるってある。

他者の目を気にし辛い。そんなじぶんが情けない。

他者の挙動に揺れ、繊細過ぎるじぶんが浮き上がる。

真剣な割に、ただの気休めじゃないかという罪悪感がある。

書いてもどうにもならないさという劣等感と虚しさが来る。



書くことに罪があるんでしょうか?

いいえ、食べ、話し、寝るように、書くという行為は本来、わたしたちの喜びなのです。

ナイフは人を殺せるし、同時に、料理するには欠かせない。

ナイフに罪が無いように、書くこと自体に矛盾はないのです。

混乱しているのは、わたしたちの方なのです。

本来誰のために書くのかを知らしめるために、Webの神は矛盾というアラームを送ってくる。

でも、聞き間違えると、自分を追い込んでしまう。

堪え切れずに突然、地面が崩壊する。




4.罪びとの内側


頭で考えても「わたし」は捕まえられない。

文章断片たちを日々幾重にも織って行く。その模様自体が「わたし」だ。

そこにあなたという糸も織り込まれて行く。

純粋な「わたし」だけなんて存在しない。



わたしは、他者と繋がりたい。

日記を書いていれば済むところをこうしてわざわざUpしたのが証拠です。

そして、わたしは時々にあなたとクロスする。

あなたという糸が取り込まれた「わたし」となる。

気が付かないうちに、あなたがわたしの一部となる。



だから、ここで書くことは読み手を意識させます。

ぽちっの数、アクセス数が気になる。

読者を意識するということは、でも、とても恥ずべきことのような気もする。

他者評価を求めているとは、「わたし」が外の評価で決まるということですから。

外が良い子だねと言えば喜び、悪い子だと言えばへこむみたいな情けなさがある。

それはもう大人のすることじゃないと、小三病のわたしは直感してきた。




5.罪人の告白



だから、なるべく評価は気にせずに、信じるところを書こうとした。

バズル書き方、わたしはこれでフォロワー1000人になりました、なんていう記事はくだらないと思った。

凛々しくひとり立とうとした。

が、いつまでも他者評価が気になる。

ああ、、それは当然なのです。

良い人に成ろうとするのは、良い人ではないからです。

他者評価が気になるから、気にしないんだスローガンを掲げた。

「凛々しく自立」という大きな看板の店に入る。

と、粗末な商品しか置かれてない。

店主は薄暗い隅っこで泣いてる。みたいなことに。

こんがらがった糸玉を解き戻す起点は、じぶんに欠けがあると認めるところからになる。



「文章を書くということは、読まれることを前提に」していたのです。

なぜなら、文字は人が読むものだから。

読まれない文章を書くというのは、人類に反する。

その前提を認めなければ、いつまでも混乱が続く。



わたしは、ずっと勘違いして来た。

正直にいうと、素直に他者存在を認めることが出来なかった。

オレはオレだ、みたいな。他者に依存しない凛々しい男がいいのです。

必ず織り込まれるあなたという横糸を無視し、好き勝手に縦糸だけで織りたい小三病だった。

いや、横糸に揺さぶられることに気が付いていた。

好きな糸なのに、どう扱ったらいいかが分からなかった。

だから、縦糸だけで行こうとした。

でも、、けっきょく横糸無いと布はできない。


これは、わたしの居場所が欲しいというささやかなことを願うわたし自身に対する犯罪でした。

(昨夜のこともあって、今日はだんだん自虐的)




6.社会更生プログラム



「文章を書くということは、読まれることを前提に」しているのなら、わたしが気にすべきことは3つなのです。


① あなたが読み易いように、分かり易いように書く

② あなたが時間をさいてくれるのなら、読んで良かったと思ってもらえるように書く

③ そして、わたしも書いて良かったと思えるように書く


すごく当たり前すぎて、申し訳ないです。

わたしは、①②を避けて来た。

いや、掟のためには、バズル書き方、わたしはこれでフォロワー1000人になりました、も読むのです。

ガンガン読めばいいのです。

それが、人気取りという虚栄心に繋がるかどうかは、ひとえに読むわたし次第です。

読みもしない内に毛嫌いし、逃げてた。

虚栄心を嫌うということは、わたしはじぶんの中に虚栄心てんこ盛りなのです。

「虚栄心は最低だ」と書かれた大きな看板をここでも掲げた。

わたしは、はやらない店を出すのが大好きなんだな。


好きなのに泣かす。

まったく同じように、大切なのに無視する。

文字は読まれるためにある。

どうしたら、あなたに受け取ってもらえるか?

小三病者は、ほんとに真剣に考えてみるしかない。





7.罪は消えないけれど



矛盾したじぶんの気持ちをその子にぶつけてしまった。

あの子が、忘れているはずない。

半世紀もお気楽に生きて来たいじめっ子側とは違うんだ。

それ以降、呪いがわたしに掛かっている。

かのじょとのこと、子どもたちとのこと、そしてブログを書くということにも呪縛がある。


「文章を書くということは、読まれることを前提に」していた。

これは重い事実でした。

前提を満たして初めて、個人は社会に参画でき、個人を表現してゆける。

読まれるように書くということを真剣に考えたい。

そうしたからといって、わたしが書きたいこと、わたしが伝えたいことの根っこは依然として保たれる。



転校生をいじめてしまったわたしは、「きみが好きだ」という一言が言えないばかりにこころが割れて行った。

でも、大人となったわたしは、今なら、「きみが好きだ」といえる。

「どうしたらいいか分からない矛盾をかかえているんです」とも言える。

あれから半世紀。

依然として矛盾は抱えているけれど、それを正直に言える所までようやくたどり着いた。

にんげんやってて良かった。

だから、今言わないでどうするっ。



わたしのような③だけの人も多いと思う。

でも、③の継続を担保してくれる条件とは、実は、①と②なのです。

そこを大切に考え続けないと、せっかくの地面が崩落する。



P.S.


悲しい想いをされたあなた糸に宛てて、書きました。

あなたが失った糸。でも、その糸はあなたの胸にずっといてくれます。

どうぞ、大切になさってください。

なお、長々と書いたのは、今朝、罪悪感がはんぱなかったからでもあります。ほろほろ。