いろいろ、今日はおもしろく無いことが多かった。
なにをわたしがムカムカ、プンプンしているのかというと、言うも恥ずかしいような理由だ。
会議をした。
いちいちおばかな統括部長の発言に腹立った。
それにおべっか言う、女子にも腹立った。日が悪いのかムカムカする。カルシウムが足りなかったんだろうか?
。。。
まあ、思うに、わたしはじぶんの思うように展開してくれない者たちに苛立ったのだ。
そんなんじゃだめだってわたしは思っていて、わたしの考えを分かって欲しかったのに理解してもらえなかった。
ああそうですねとわたしを敬って欲しかったんだろう。
今日のわたしは、単にわがままな幼児だったということだ。と、思う。
が、そんなおのれのエゴも垣間見れるので、一層おのれにもうんざりし、とにかくさっさと帰って来た。
こういう日はブログが書けない。
こころ波立っては、じぶんを客観視できない。
あなたも、愚痴グダグダの具だくさんなブログなんか見たくも無いはずだ。
で、こういう時はあっさり、なにも書かないことにしている。
で、パソコンでゲームなぞをしていた。
ムカムカする割りに、敵に勝てる。ほぉ・・・
こんな日に良きこともあるんだなと感動していると、ねぇ・・・とかのじょが声をかけて来た。
食事が済んで、テレビを付けてそれぞれがパソコンをのぞいていたのだけれど、急に「ねぇ、今日は何の日か知ってる?」と笑った。
んっ!
こころの中にアラームが鳴った。
こんなふうにいたずらっぽくかのじょが笑う時は、男子の経験上、ひじょうに何かが危険なのだ。
ゲームなんかそっちのけで、脳が高速回転した。ううーん、うーん。
「今日は、23日なのぉ~」と笑う。
わたしはあっと思い出した。そう、わたしたちの結婚記念日だった。。。
「誠にすみませんでしたっ」とわたしは居ずまいを正し、
三つ指着いて、「まことに長きに渡ってありがとうございましたぁ~っ」と頭を下げた。
そうだ、そうだ、今日は一度も祝ったことのなかった結婚記念日だったのだ。
単なる挨拶で済まそうとするわたしはまことに姑息だが、かのじょはこういうイベント自体をまったく期待してないので助かる。
そもそも、かのじょ自身も記念日を忘れている。
籍を入れたのが2月で、式は3月だった。
で、どっちがなんだか分からなくなって、日にちなぞに意味なんか無いと思っているので、毎年忘れる。
しかし、あの大雪の日に式を挙げたのだった。
3月は春がもうすぐそこなのに、どかっと雪が降ることがある。あの年はそんな年だった。
福岡からかのじょとご両親とお兄さんが、新潟の山奥まで来てくれた。
見上げるような道の両脇にそびえる雪にみんなは驚き、喜んでくれたのだった。
あれからうん十年が経っていた。。。
「そう言えば、わたしが実家で過ごした年月を超えて、あなたとのことの方が長くなったのね」。。
「うん。ほんとうにご迷惑のかけどうしでした。ほんとうに、よくして頂きました。
こころより感謝しております。で、これからも、よろしくお願い申し上げますっ」とお返事いたしました。
心臓がやばくなり、主治医も長くはないなぁ~とか言っている。
ある日、わたしに「73」という数字が浮かんだ。
「ああ、そうか、わたしはその年齢で逝くんだな」と妙に納得した。
男子の平均寿命がほぼ80歳。1割減だが、まあ、それほどひどくもない。
頭がぼけてからだも動かなくなるすこし前ってなかなかいいじゃないか、とかのじょに以前言ったことがあった。
でも、最近、わたしは考え直した。
出来ないことがいっぱいあって、それでも他者を不快にしまい、いつも笑っていようとする姿にほだされたのだ。
意地悪なお局さまとかの餌食にいつもなるひとだもの、
健気に生きようとしているかのじょを守らねばと、これまたわたしが健気に思うようになった。
さっさと逝く気になっていたのだが、多少の防衛線にもなろうし、朝ゴミも出せれるし、たまには望まれれば堅い話ならいくらでもしてあげれる。
それになんと言ってもたまには愚痴も聞いてあげれるようになってきた。以前のように我がまま言わない分、聞いてあげれる。気がするんだ。。
とまあ、多少はお役に立てそうなのだ。
「最近はね、すこし改心したんだよ。もう73で逝くつもりは無くなった。
でも、たぶん、わたしの方が早い。
タバコ大好きで、お野菜嫌いで、酢なんか大嫌いで、油っこいのが好きで、運動しないんだもの、早い。
早いんだ。でもね、わたしはね、あなたのために1日でも長く生きることにしたんだ。
実際、長くなるかわ分からないけど、そう思うんだ。」
そういうと、かのじょはにこっと笑ってくれる。
あまり当てにしてないのか、なんと答えたらいいのか困っているのか分からないが、まあ、そうなんだろう。。
見も知らなかった者たちがつがいとなって、うーんと一緒に居てみて、
段々と相手を尊重できるようになって、
そして、ほんとはおのれ自身をようやく尊敬できるようになるのだ。
ああ、嬉しいなって思う。
そう思えるようになる時にはもう別れが来る。
「ねぇ、今日は何の日か知ってる?」と笑ったのだ。
それ以上何も言わずに、気がついて慌てたわたしを見て喜んでた。
ただ、それだけの話なのだけれども、とても在り難いことでした。
いつまでも素で少女のようなあなたが素敵です。
ぺこっ。
