溢れる想い 〔ポエムのささやき〕

溢れる想い 〔ポエムのささやき〕

心から溢れた言葉をつなげて、文章にしてみました。
あなたの小さな何かになれたら嬉しいです。

昔々、とある港町に


仲良しの三人家族が住んでました…。


お父さんは漁師で


みんなが寝ている間に


船に乗り漁を始めます…。


だから朝ごはんはいつも


お母さんと娘さん(真実ちゃん)


だけで食べます…。


「行って来ま〜す!」


娘さんはお母さん


と海に向かって二度


声をかけて手を振ります…。


家族は月に一度


お父さんのお給料日に


車で街まで行ってご飯を食べます…。


それが一家の特別な日でした…。


とある、月一回のご飯会…。


大好きなハンバーグと


プリンアラモードを食べて


お腹いっぱいの娘に


お父さんがまっすぐに向いて話をします…。


「いいか、言うか言うまいかお父さんもお母さんも迷ったんだけど、これだけはちゃんとお父さんの口から伝えたくて言う…。」


お腹いっぱいで幸せを感じてる娘も


何だかいつもとは違う事を察する…。


「お父さんは本当の、真実のお父さんじゃ無いんだよ…。お母さんと出会った時には真実は一歳だったんだ…。」


娘は一体、何の事だか分からずに戸惑う…。 


 「俺と真実は血が繋がってはいないんだ…。」  


その言葉に娘は現実を


受け止められないでいる…。


「けどな、真実とは一歳からずっと一緒にいる…。出会った時から今でもお前がずっと可愛いんだよ…。」


娘は泣きながら


ふと昔の出来事が溢れてきます…。


お父さんに会いたくて走って海に落ちた時、お父さんが海から救ってくれた事…。 


風邪で喉が腫れてしまった時にリンゴを擦って飲ませてくれた事…。


運動会の二人三脚では何度も転んでビリでゴールした事…。


参観日では漁を休んでまで観に来てくれた事…。


誕生日には友達を沢山呼んで私にも、その友達にもプレゼントをしてくれた事…。


それらの思い出が涙の数だけ溢れてきます…。


もう両手があっても受け止められない…。


今、お父さんの両手が


娘の掌を包んでいます…。


娘は泣きながらお父さんの温かさと優しさを


感じています…。


「お父さんの手はゴツゴツしてて大きくて、そしていつも温かい…。」


この分厚い掌で私を大きくさせてくれたんだね…。 


どんなに血が繋がって居なくても


一緒に過ごした時間が


この世には尊い事がある…。


人生はお金や地位では決まらない…。


人生はどれだけ誠実に生きたか…。


人生はどれだけ人を大切にして


生きて来たかだと思う…。


いつか分かってしまう現実がある…。


それを言うの側も聞くの側も


どっちも同じ位に辛い…。


でもお父さんの誠実さは


それだけはキチンと伝えたかった…。 


お父さんが泣いた…。


娘も、お母さんも…。


泣きながら娘がお父さんに言いました…。


「お父さん…。お父さんはずっと私のお父さんだよね?」


お父さんは何度も頷いて娘を抱きしめます…。


「お父さん、私のお父さん…。」


娘はずっとずっとお父さんの胸の中で


「お父さん…。」を発します…。


娘も思い切りお父さんを


抱きしめながら伝える…。


「私、お父さんの子供になれて良かった…。本当に良かったよ!」


※岐阜で自分の娘二人をベランダから放り投げたニュースを見て描きました…。放り投げられた姉妹が可愛いそうで可愛いそうで…。命は助かったとは言え…。ごめんなさい…。