溢れる想い 〔ポエムのささやき〕

溢れる想い 〔ポエムのささやき〕

心から溢れた言葉をつなげて、文章にしてみました。
あなたの小さな何かになれたら嬉しいです。

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「スバン!」

ミットに良い

響きが届く…。

「ナイスピー!」

そう言って

僕は君に

ボールを返す…。

君は

間髪を入れずに

また思い切り

ボールを

ミットに向けて投げる…。

10球

20球

君はひたすら

ボールを投げ続ける…。

僕はビタ止めして

君の気持を

受け止めるんだ…。

君がこうやって

ひたすら

ピッチングを

する時は

決まって

心が泣いている…。

背中は怒りで

湯気が立っている…。

僕はそんな君を

その魂を

すべて受け止めようとする…。

小学校で

初めて

バッテリーになった

あの時から

もう30年…。

僕はずっと

君の球を

受け止めてきた…。

だから

もう言葉は要らない…。

必要ない

分かってる

分かってるよ…。

今日

君が担当していた

お年寄りが亡くなったんだろ…。

君は持っている

最大限を

使っても

助けられなかったんだろう?

悲しくて

虚しくて

やり切れなくて

言葉にしたら

ただ「悔しい…」

でも君は

その言葉だけじゃ

物足りないんだろう?

そうやってまた

自分を

その気持ちを

傷つけているんだろう?

君が投げ終わるまで

僕はここに居るよ…。

君が終わり!って言うまで

僕はここで受け止める…。

だって

だってさ

俺は

君の捕手だから…。

僕たちは

辛いことも

虚しいことも

苦しいときも

いつだって

こうやって

乗り切って

きたもんね…。

君は

君の投げる魂は

誰が何と言っても

最強の

ピッチャーだよ…。

 

君はまだ七歳の

 

女の子なのに

 

絶対にピッチャーを

 

やると聞かない…。

 

僕は心が弱いから

 

そんな強い心を持った

 

君の球を受けたいと

 

思って捕手を

 

やりたくなったんだ…。

 

初めて

出会った

あの時から

 

僕たちは最強の

 

バッテリー…。

 

これからも

 

ずっと

ずっとね…。