溢れる想い 〔ポエムのささやき〕

溢れる想い 〔ポエムのささやき〕

心から溢れた言葉をつなげて、文章にしてみました。
あなたの小さな何かになれたら嬉しいです。

手話サークルの帰りに


電車に乗ると


一席分だけ


長椅子が開いています…。


私はそこに座ると


目の前に小さな女の子と


お母さんが座っています…。


お母さんは女の子に


絵本を見せています…。


お母さんは絵本の中の


1枚を指差します…。


すると女の子は


お母さんに向かって


犬の物まねをする…。


お母さんは絵本をおいて


女の子の頭を撫でています…。


次の瞬間


私はハッとさせられた…。


「好きな色は何?」


お母さんは


女の子に向かって


手話をする…。


女の子は一瞬、考え込んで


お母さんを見ました…。


『わたし、あおがすき…。 』


そう手話で返します…。


お母さんは優しい顔で


女の子に手話で


「なぜ?」をする…。


女の子は


もう迷うことなく 


 『おかあさんが、すきないろだから!』 と


笑顔で手話で返します…。


お母さんは女の子を


そっと抱きしめる…。


手話を知らない人たちが


その光景を見たら


可愛そうな


お子さんだな…。


そう思うのかも知れません…。


でも耳の聞こえない女の子は


可愛そうでも


不幸でもありません…。


ただ、耳が聞こえないだけ


ただ、それだけです…。


だって


女の子の隣には


目の前には


いつだって


こんなにも笑顔が素敵な


優しいお母さんが


居るんだもんね…。


いっつも頭を撫でて


褒めてくれる


大好きなお母さんが


居てくれるんだもんね…。


次の駅に着くと


二人は仲良く手を握って


電車を降りていきました…。


今、扉が閉じて


電車が動き出します…。


こんな寒空なのに


二人はとっても素敵な笑顔です…。


動き出す車窓から


二人を見つめて


そっと手を振る…。


「何だか急に娘に会いたくなっちゃったよ…。」


今、仲良しの親子から


私、温かい気持ちを


いっぱい貰っちゃいました…。


さっきまで寒かった


この車両が


今、少しだけ


温かくなっているんだ…。