2020/7/18

 

朝からC病院へ。9時から採血、レントゲン。喫茶店で少し時間をつぶし、10時から呼吸器外科の診察。担当医によると、悪性の中皮腫ステージ1のAかBで余命二年と告げられる。 手術をするなら全摘だが、腫瘍は右肺に出来ており、右肺は肺活量の6割を担っており、左肺だけ残すのは、術後の肺や心臓への負担が大きくお勧めできない、胸膜と言う部分に腫瘍ができていて、この膜だけ剥がす手術の仕方もあるが、東京でそれができる病院はないと言う。 そこまで言われたら、外科手術をしようとは思わないだろう、普通。 そうなると当然、抗がん剤治療を希望するしかない。

 

労災について少し聞いてみたら、アスベストによるものとは限らない、労災認定してもらうなら、片肺を摘出して、それを関係機関に送るくらいのことをしないと無理だろう、と言う見解も聞かせていただいた。 

 

今思うとトンデモ先生である。だが、その時は何の知識もなかったので、担当医に言われるまま鵜呑みにしてしまった。当然、かみさんと二人で大ショック・・。 ちなみにこの呼吸器外科の担当医さんは、過日の胸腔鏡手術の前にも、内科から引き継がれて診察を受けたのだが、やたら「残念」と言う言葉を多用し、一方的に喋りまくるタイプの先生だった。いやもちろん、悪い人じゃ無い。 僕としては、定型句とは言え、いきなり余命二年、このままだと還暦まで生きられません、なんて言われたので、あまり良い印象は抱けないだけだ。 

 

ちなみに胸腔鏡手術後の入院時、おしっこが出なかった時に導尿カテーテルを入れてくれたのもこの先生。あの激痛は自分的に、痛みの限界値として身体に刻み込まれている。

 

帰り際、二人でとぼとぼ歩いていると、後ろから声をかけられた気がした。「もしもし、落とし物ですよ。」気がつくと、二人ともがっくりと肩を落としていたのだった・・。もちろん声をかけられたのは気のせいだったが。

 

帰宅後、藁をもすがる思いで、医療ライターをしている友人に何か情報が無いかと訊ねてみた。その友人が言うには「セカンドオピニオンすべし。せっかく東京に住んでいるのだから、東京で一番の医療をうけるべし。」との事だった。 セカンドオピニオン・・・。東京で一番の医療なんて、こんな心身・経済共に弱い自分が受けられるものなのだろうか・・? いや、そんな事考えても始まらない、まずはとにかく、やってみる事にしよう。

 

やってみなけりゃわからない、やらずにできる訳が無い。 なんだか懐かしいフレーズだ。