アタローの読書 -9ページ目

アタローの読書

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先月は東京は27日間も雨という夏なのに異常な気候でしたアセアセ


なので夏真っ盛りの時期だから暑くて読書も出来ないと思っていたのですが意外と読めましたおねがい



8月の読書メーター
読んだ本の数:33


冥談 (幽BOOKS)冥談 (幽BOOKS)感想
今作は冥界にいるべきもの死者を軸にした話が多く死者と生者を繋ぐというか生きているのか死んでいるのかそれと何か分からないモノまで。どの短編でも共通するのは淡々と緩やかな語り口で進む物語の中に不意に現れる異形のモノの存在のヒンヤリした怖さ。お正月に親戚が集まる家の一室の穴から見ていた顔の話がゾクッときた。文章が美しく妖しい雰囲気作りが天才的に巧く独特の酩酊感を覚えながら読めた。京極さんの作品を読み終えしみじみと巧いなぁと思い、好きだと再確認した。
読了日:08月01日 著者:京極夏彦
猫が見ていた (文春文庫)猫が見ていた (文春文庫)感想
有栖川有栖さんの「エア・キャット」が火村シリーズの話だとは思わなかったので嬉しかった。火村が犯罪者には厳しく猫には甘いという一面を知ることが出来たのが良かった。豪華作家陣の猫好きの短編どれも大満足だった。
読了日:08月01日 著者:湊 かなえ,有栖川 有栖,柚月 裕子,北村 薫,井上 荒野,東山 彰良,加納 朋子
猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)猫舌男爵 (ハヤカワ文庫JA)感想
表題作の猫舌男爵はハリガヴォ・ミナコという日本人作家の3つの短編を訳したポーランド人学生ヤンを巡る人々の話。ヤンはヤマダ・フタロが好きなのと忍者が好きで日本語を学ぼうと思ったのだが日本語に対する理解が浅くて訳す言葉はどれも頓珍漢。猫舌が何であるかを説明するのに延々と拷問について論じた後ヤマシタとかサカシタとかの類の苗字であると断じその挙句に師であるコナルスキー教授のプライベートを暴露して師を怒らせその抗議文を受け取る。抱腹絶倒のヤンと周囲の人々のやり取りとコメディの裏に言語の違いという難しさが描かれている
読了日:08月02日 著者:皆川 博子
弥栄の烏 八咫烏シリーズ6弥栄の烏 八咫烏シリーズ6感想
第1部完。前作の玉依姫で八咫烏と山神の世界での一応の完結がされたものの八咫烏の世界の謎は深く恐ろしいものだった。弥栄の烏は玉依姫と対をなす物語で山神と玉依姫の出来事を八咫烏側の視点で描かれている。山神と真赭の薄が山神のもとへ行ったのかと細かい事情が語られている。そして今作で山神の怒りをかって殺された人物が誰か?若宮をかばい大けがをした八咫烏は誰だったのかが分かる。若宮の苦悩、浜木綿の気持ち、雪哉の冷酷なまでの覚悟。謎は解かれるが山内はいずれ滅びの道を進む運命。第2部の前に外伝が出るそう楽しみです。
読了日:08月03日 著者:阿部 智里
涙香迷宮涙香迷宮感想
主に黒岩涙香作とされる、いろは歌に関する暗号ミステリ。茨城県内で黒岩涙香の隠れ家が見つかりそこでいろは歌が見つかる。見つかったいろは歌は暗号の筈ということで暗号解読に挑む。それと囲碁の対局中に刺殺された老人の事件。この2つのストーリーに挑むI.Q208の天才囲碁棋士・牧場そして彼女の類子。殺人事件の捜査は少ないが物語の大半を占めるのは黒岩涙香、いろは歌、囲碁と数々の薀蓄と暗号。牧場は映像記憶を持ち黒岩涙香にも長けていてグイグイ暗号を解いていく。暗号解読に関しては凄いという言葉しかなかった。
読了日:08月04日 著者:竹本 健治
【至急】塩を止められて困っています【信玄】【至急】塩を止められて困っています【信玄】感想
大河ドラマなどを観ていていつも思うのが情報交換や移動に膨大な時間を要して大変だなぁということ。電話、流通、メール、SNSと情報のやり取り、人や物、お金の移動が劇的に短縮されたのはここ最近のことなのだとしみじみ思う。参勤交代のしおりや太閤検地のサポートスタッフ募集、上杉謙信さまより塩が届いていますという不在連絡表。楽しく日本史を学べるというか身近に思えて面白かった。
読了日:08月04日 著者:スエヒロ
Tengu―長編推理小説 (祥伝社文庫 し 8-4)Tengu―長編推理小説 (祥伝社文庫 し 8-4)感想
26年の時を行きつ戻りつしながら話は展開する。26年前に群馬県の寒村で起きた凄惨な殺人事件。巨大な手で握り潰された頭骨、喰い千切られた顔面そして唯一の犯人の物証である体毛。久々に訪れた新聞記者の道平がその事件の当時鑑識だった大貫と再会し再度事件を調べてくれと要請を受ける。そして道平と彩恵子の恋。盲目の彩恵子が村でされていた事実、彩恵子を愛そうとし結果的には死に別れ…。そして道平がアメリカでリグビーという男性から情報を得て辿り着く真実。天狗の仕業として言い伝えられているがラストスケールの大きさには驚愕した。
読了日:08月05日 著者:柴田 哲孝
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (角川文庫)打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? (角川文庫)感想
港町で暮らす中学生の典道。花火は丸いのか平べったいのかということを確かめる為に花火大会の日友人達と灯台に登る約束をするが同級生のなずなからかけおちに誘われる。ここではない何処かへ行きたいという彼女の願い。同じ日を繰り返すというSFみたいな話だとは思わなかったが典道が願って繰り返されるもしもの世界は現実ではない別の世界。だから元の世界に帰らなければいけない。ひとつひとつの世界が繰り返され典道となずなの距離が近づく度に現実から遠く離れてしまう。夢みたいな時間だけが彼らの心に残り夏のような淡い初恋の物語。
読了日:08月05日 著者:大根 仁
BAR追分 (ハルキ文庫)BAR追分 (ハルキ文庫)感想
BAR追分を読んでねこみち横丁に住みたいと思った。バーには猫、個性的な横丁のおっちゃんたち、住人専用の秘密の銭湯、バールの店長・桃ちゃんの美味しそうなまかない、そして夜のバーでの美味しいお酒と謎の美女・BAR追分オーナー。こんな横丁が実際にあるのだろうか。でもきっと猫のデヴィが気に入った相手でないと辿り着けないそんな気がする。読んでいて楽しくなりまるでBAR追分のお酒のように心地良く酔わせてくれた。
読了日:08月06日 著者:伊吹 有喜
探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)感想
犯罪が起きる前に未然にそれを防いでしまう探偵と遺産目当てで女子高生の一華を暗殺しようとする一族との攻防。今作では手数が多くスピード感ある展開に。チャンスは3回しかないが相手の人数が多いこともあり1回の場所で複数の罠が次々と発動しかけ法要中に姿を見せない千曲川が次々とその仕掛けを破っていくという息もつかせぬ展開。それにしても罠が多すぎて驚かされた。そして最後の最後まで犯罪が未然に防がれていることに気付いていなかった一華。この変わった探偵の物語をまた読みたい。
読了日:08月06日 著者:井上 真偽
冬雷冬雷感想
天涯孤独だった少年・代助が家族のいる幸せを掴んだのも束の間、義弟が行方不明になる事件に巻き込まれ数奇な運命を漂い始める。地縁、血縁、業縁、因縁、慣習、風習…。人間関係が希薄になってきている現代にも縁故という結びつきがある。義弟の遺体が発見された事をきっかけに一度は切り落とされてほどけたはずの縁を手繰り寄せていくうちに掴んだ真相は緻密な伏線が張り巡らされた衝撃的なものだった。目先のものとしがらみに囚われる男の哀れとそれを押しきれない女の罪。翻弄された代助と真琴に未来が明るい兆しが見えたのが救い。
読了日:08月08日 著者:遠田 潤子
AX アックスAX アックス感想
殺し屋兜を主人公にした連作短編集。兜は凄腕の殺し屋、表の顔は文具メーカーの営業マン妻子がいるが妻には全く頭が上がらない。裏の仕事を終え夜帰って来る時も妻を起こさないように鍵を開ける僅かな音にも気を配り食べる夜食にまでも細心の注意を払う。カップラーメンはダメ!あれはビニールを破る音が意外に大きい、それに鍵を開けるのにも何で音のしない鍵がないんだとキレている。兜の恐る恐妻、殺し屋であり一人の父親でもある兜の人となりが描かれた心温まる本書、伊坂さんらしい物語面白かった。
読了日:08月09日 著者:伊坂 幸太郎
黒百合 (創元推理文庫)黒百合 (創元推理文庫)感想
1952年東京から六甲山へひと夏を過ごす僕。一緒に過ごす父の友人の息子一彦そしてそこで出会う同じ歳の少女・香。1952年夏少年達が経験するみずみずしい夏。章が変わると昭和10年ドイツに行く宝急の小芝翁、同行する東京電力の寺元と宝急の浅木。ナチスが勢いを増すベルリンで出会う日本人女性。その女性がドイツに来る理由…。様々な前振り伏線が最後の数ページで収束する。みずみずしい少年達の淡い恋に気を取られ至る所に伏線があり見事に騙された。
読了日:08月10日 著者:多島 斗志之
黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)黒後家蜘蛛の会 1 (創元推理文庫 167-1)感想
黒後家蜘蛛の会は結婚してからも男の友情を保ちたいという願いの下結束された会。彼らが集まるミラノ・レストランには専門の給仕がいるその名もヘンリーこの短編集の主人公であり名探偵そこでメンバー達はゲストから提示された謎を推理するがいつも真相を言い当ててしまうのがヘンリーどの短編も同じ構成で謎自体は他愛もないものばかりだが魅力的。キャラも化学者、数学者、弁護士、画家、作家、暗号専門家と素敵。そしてもう一つの魅力が作家アシモフの解説。各短編ごとにアシモフによる短い解説がつけられ言葉には表せない妙な面白さに満ちている
読了日:08月11日 著者:アイザック・アシモフ
最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫)感想
2人の医師の対立、和解の姿を通して医療や医師の在り方生と死の意味を問う迫真の医療ドラマ。凄いのは死に虚飾も美化も加えていない所そこに作者の本気を見る。実際死に直面した患者に突きつけられる選択のあまりの重さにページを捲る手が止まりそうになるが苦悩しながらも最後まで戦い抜いた患者と医師の姿や死を受容した患者の想いに一筋の光も見え救われる。死は誰もが向き合いたくないテーマだが死を考えることは生を考えることに他ならない。限りある生をどう生きるか。
読了日:08月12日 著者:二宮敦人
増山超能力師大戦争増山超能力師大戦争感想
超能力関連の技術も含む最先端の技術開発に携わっている会社員の坂本の失踪。彼の妻が増山の事務所を訪れ調査を依頼するのだが、どうやらただの失踪事件ではなく…。敵は坂本の会社で開発した超能力を無効化させる装置を盗んでいた。その依頼を受けてから増山の事務所の所員達や彼の家族までも何者かに狙われ始める。坂本を拉致した組織の目的は彼がかつて研究していたものらしい。そしてその研究には特殊な事情も抱える増山の妻も関係していた。坂本の前に彼と一緒に研究していた男性も拉致されていたことが分かる。 ⬇︎
読了日:08月13日 著者:誉田 哲也
あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫)あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫)感想
惣次が失踪し幸への離縁そして智ぼんが6代目徳兵衛へと、その女房に幸が。3兄弟すべてと結婚とは波乱万丈の幸。ここまで幸の才覚と努力で五鈴屋の窮地を救ってきたが今作で優しく穏やかで幸の才能を認めてくれる智ぼんという素晴らしい伴侶に恵まれたのは良かった。お家さんが亡くなったのは悲しいが五鈴屋も幸の商才のおかげで店も手狭に蓄えも増えたがラスト桔梗屋の救済に名乗りを上げた五鈴屋。急展開どうなるのか次巻が待ち遠しい。
読了日:08月14日 著者:高田郁
会津執権の栄誉会津執権の栄誉感想
戦国時代の三英傑とも言われる織田信長、豊臣秀吉、徳川家康その他の有名武将に関しては大河ドラマの主人公に取り上げられた人物以外あまり詳しくはなく奥羽の名門で芦名家のことも伊達家に滅ぼされたという認識程度。まさに食うか食われるか様々な思惑の中で廃れ行く道に傾きつつも主君を立て国を守ろうと仕える武士達の人として迷いつつも命を賭しての闘いぶりがその散り際が奥羽ての最大の合戦であろう摺上原の戦いを通して描き出されている。歴史的有名人、名は残さぬ足軽兵までその時代の武士としての生き様に気迫というものをひしひしと感じた
読了日:08月15日 著者:佐藤 巖太郎