二年生の時に仲良しだった二人と離ればなれになったわたしは、少しの寂しさはありました。が、小さい町の小学校。ほとんどが同じ保育園、近所の家の子、ということもあって、すぐにクラスに打ち解けていきました。
【あれは五月の連休前のこと】
その日、朝から体調がすぐれなかったわたし。
うっ、とこみ上げてくる吐き気と闘いながら、その日、一限目の授業を受けていました。
しばらく我慢できていましたが、とうとう限界が来て、うっ!!!と、少し吐いてしまいました。
すぐにティッシュで拭き取りましたが、隣の席の男の子は、嫌な顔をして横目でチラチラ見ていました。(当たり前ですよね、たしかに隣で少しでも吐かれたら嫌な気持ちになります。)
担任の先生(男性)とも目が合いましたが、先生はそのまま授業を続けました。
今思えば、この担任の教師が、これから起こる全てのことを、見て見ぬふりをする先生だったのです。
【連休明け】
すっかり体調が戻ったわたしは、いつも通り登校しました。
そして、いつも通り、自分の席に着きました。
ランドセルから教科書を出し、机にしまっている時のことです。
突然頭に何かが当たりました。
転がったそれを見ると、くしゃくしゃに丸められたわら半紙でした。
それを手に取り、何気なく広げてみると「きたない!」「ばいきん!」「ばか!」「あほ!」「ぼけ!」と、鉛筆で殴り書きのように書かれていました。
投げられた方に目をやると、Tさんと、Sさんが、椅子の上に乗り、次から次へとわたしに投げつけてくるのです。
全部開いて、全部読みました。
きたないきたないきたないきたない
ばいきんばいきんばいきんばいきん
あほあほあほあほあほあほあほあほ
バカバカバカバカバカバカバカバカ
八歳のわたしには、その時まだ、いじめという概念はなかったので、何も言わず放っておきました。
丸められたわら半紙は、そのままにしておくわけにはいかないので、ゴミ箱に捨てました。
【掃除の時間】
そのわら半紙の一枚が、くしゃくしゃに丸められたまま、教室の隅に転がっていました。
それを見つけたのは担任の教師でした。
わたしはその時、自分の教室が掃除場所でした。
先生が手に取ったのをしっかり見ました。
そして、中を確認する先生の姿も、今でもしっかり覚えています。
きたない くさい ばか あほ ばいきん
きっとあの子達は、先生に怒られる・・・
わたしはそう思っていました。
けれど、先生は、それをゴミ箱に捨てました。
何も見てなかったかのようでした。
それでも、わたしは信じていました。
だって、保育園でも、小学校でも、親にも、そういう言葉はダメな言葉と、教えられてきたからです。
【帰りの会】
みなさんがお察しの通り、何事もなく、ホームルームは終わりました。
先生さようなら 皆さんさようなら
ドタバタと我れ先に、教室を出るクラスメート。
それに遅れをとりながら、わたしも教室を出ようとしました。
そこに、Tさんが肩で思いっきりぶつかってきました。
邪魔!!!
その日からわたしは【いじめられっ子】になりました。