わたしは嗚咽を漏らしながら、学校で何があったかを伝えました。
と言っても、それまでのいじめられたことは伏せ、墨汁どばぁ事件だけを喉を詰まらせながら、むせ返りながら話したのを覚えています。
黙って聞いていた祖父・・・
わたしが落ち着いたのをじっくり待って・・・
「よぉーし、そいつんとこ今から行くぞ!車、乗れ」
「お前は何もしてないのに、なんで一方的にそんなことされにゃいかんのや!いたずらにしては度が過ぎてる!」
いたずら、の解釈をしてくれてわたしは少しホッとしていました。
わたしを日課のようにいじめていた子達は4人グループ。
その子達の圧力により、周りの子もわたしを無視していました。
今回、墨汁を塗りたくってきた子は、そんなクラスの雰囲気に便乗した1人の子。
万が一、そのグループに、家族にチクったなんて知られたら、また何をされるか・・・
そんなことを考えながら、車に揺られていました。
小さい町です。
いじめていた子も近所の子、墨汁の子も近所の子、みーーんなご近所さんなんです。
今となっては、これすごいことだな、と思います。お互いの親同士も面識あるんです。都会の方たちと違って、周りとの距離が、結構近いんですよ。だからこそ、言えなかった、かもしれませんね。当時のわたしは・・・
祖父の家から車で3分。
ドキドキドキドキ
こ・・・この一件で、何か変わるかもしれない。
良い方向?悪い方向?
祖父は、颯爽と車から降り、かと思った途端、その子の家の扉をどかーーん!と開け・・・
「おい!お前んとこの悪ガキがこんなことしてくれたぞ!どうなっとんじゃいっ!!」
何事かと、飛んで出てきたその子のお母さん。
お母さんに、祖父は真っ黒の体操服を見せ、文句の嵐です

それをあたふたしながら聞いてたお母さん。
顔がみるみるうちに




です。笑
すみません!本当にごめんなさい!
ごめんね、〇〇ちゃん!本当にごめんね!
その騒ぎを聞きつけ、奥から、先程帰ってきたであろう、その子が出てきました。
わたしと目が合った瞬間・・・
やべっ!!!的な顔
今までされるがままのわたしだったので、まさかこの事を親にまで持ってくるとは思ってなかったのでしょう。
祖父の怒り狂った姿を目の前に一言・・・
ごめんなさい。もうしません。
本当に小さい小さい声でした。
祖父は弁償だ、なんだかんだ、まだ怒ってくれていましたが、わたしはその後ろで、
わ・・・わたし 今
謝ってもらえたの・・・?
と、なにがなんだかわからない感情でした。
「もういいよ、怒ってないよ」
わたしは小さく呟くと、祖父より先に玄関を出て、しばらく立ち尽くしました。
謝ってもらえたことが、ものすごく嬉しかったのでしょう。
洗い流せたような気がしていました。
帰りの車の中は、父や母に叱られずに済む、祖父がわたしのために相手に怒ってくれた、そして何より、相手が謝ってくれた、と、へんな幸福感に包まれていました。
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次回は 「次の日の2人の関係」