クリスマスイブからクリスマスに日付が変わった頃、近所で大きな交通事故があった。

普通はそのまま通過する三男が、珍しくクルマを止めたそうで、救急車や警察が来る前、まだ起こったばかりであろう所へ出くわした。

ドライバーは、通りがかりのトラックのドライバーが助け出してくれたそうで、頭から血を流し茫然としていたらしい。

助手席は原型をとどめておらず、ドライバーが出て来た時には、みんなホッとしたらしいが、「助手席に彼女が…」と言った時にはみんなドキッとしたらしい。

助手席の彼女は事故車の屋根を切り、助け出される時から救急車に乗せられるまで、ブルーシートで囲われていたそうだ。

翌日、その彼女が事故現場に居合わせた三男の幼なじみだった事が分かった……………

昨日の通夜で、三男は涙を流した。
次男と、亡くなった彼女のお姉ちゃんも同級生だった。
私も、お母さんとそこそこ仲良くしてもらっていた。

ハタチの命が、一瞬で消えてしまった。

棺の中の彼女は、顔が2/3包帯で覆われていたが、他はとっても綺麗で、人形のようだった。

祭壇は可愛い色の花で飾られ、遺影の成人式の時の着物と揃えてあるみたいに、彼女らしかった。

告別式には出席しなかったが、祭場まで行き角送りして来た。

私は、家族が出掛ける際
「いってらっしゃい」だけではなく「気をつけてね」を言うようになった。