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蝶は、飛ぶのが好きでした
風に揺られてふらふらと ときには自分で羽根を動かしぱたぱたと
好きすぎて、いつから飛んでいたのか忘れたしまったほどです

蛹は 外にでたいと願っていました
けれど今の自分で飛んでいけない、と思ったので、暗い部屋に閉じこもることにしました

その日は、蝶にとってはとても嬉しい日でした
雨のあとの晴天 気持ちくて気持ちくてたまりません
蝶はおもいました この気持ちを誰かに伝えなくては、と

パタパタととびまわって、おもいつきます
実はここらへんにはずっと蝶が気になっている部屋があるのでした
そこの部屋の主は大層なかわりもので、他のみんなが部屋から出ていってる間も、ずぅーっとお部屋の中にいるのです

今日は、彼を誘ってみよう!

蝶は思いました

そして蝶はその部屋をみつけました
こんこん、でしょうか パタパタでしょうか
とにかく蝶は自分の出せる音を精一杯出して、彼の部屋を叩きました

やぁ こんにちは
なにをしているんだい?

やぁ こんにちは
部屋にこもっているんだよ

どうして?
こんなに外はきれいなのに!

だって…
こうしないと生きていけないから

蝶はおどろきました、そしてなぜかちょっとさみしくなって
どうにか彼を外に出さなくては!と決心しました

蛹はおもいました
うるさいな、と

やぁ、外にはこんなものがあるんだよ!

蝶は近くで取れた甘い蜜を彼の部屋のすきまにたらします

おいしいね

もっと食べたくないかい?

そうだね、とてもおいしかったから

なら、でておいでよ!そこはせまいよ!

でもね

でも?

でもぼくは、籠もっていなくてはいけないから…
ほうっておいてほしい、ありがとう

蝶はその言葉にもっと悲しくなって、晴れの日なのに泣いてしまいました

えんえん、と
泣いている音がきこえます
蛹は、外に出ることはできません
とうとう困って、自分の話をすることにしました
馬鹿な自分の話ならば、きっと彼女も笑ってくれるだろう、と

ぼくはね、こわがりで、よわむしなんだよ
外の世界がこわいんだ
ここからでて、ひとりで、はばたいて、いけないんだ
羽根だって、みんなとちがうんだ
だから
だから、こうして長くいすぎて、殻に閉じ込められてしまったんだ

おもしろいでしょう?
とさなぎはわらいます
自分で話しても、やっぱりお笑いで、滑稽だったから笑って笑って、一人で笑ってしまいました

それを聞いた蝶は、とうとう悲しくなって、もっと大きく泣いてしまいました

うぇーん うぇーん、と
大粒のなみだがとびちります

それは、彼のいえにも

わらっておくれ!わらっておくれ!
彼は必死に願います

わらえない!わらえない!
と蝶は泣きます

蝶は、彼が自分自身を笑ってることが、どうにも悲しかったのです

涙は、雨となって彼の家に降りそそぎます

わらっておくれ!わらっておくれよ!!
泣き続ける蝶に、彼が必死に語りかけます
外には雨の音が

わらって!!わらってよ!!
彼は必死に叫びます
外には、雨の音が

彼は、笑ってほしかったのです
今までの人たちと同じように、自分のこんなおかしな、ばかな話をわらってもらえれば、自分はわらわれているだけの存在でいれたから
自分には、■■■なんてないのだから

わらっておくれよ!!!わらって!!!!
とうとう彼は部屋を飛び出して
飛び出して
はじめて、外の世界をみました

泣いている間に日は一番上からよこにさがってしまったけど
それは 「蝶(彼)」がはじめてみたゆうやけでした

それをみた彼は、慰めるのも忘れて
ひとりでわんわんと泣きました
くるしかったのです、こわかったのです
ここをでてどうするかがわからなかったから
みんなにおいてかれてしまったから
いつの間にか部屋の中で、一人でいることに慣れて、寂しくて泣いたことも、自分が悲しかったことも、すこじつつ、心の箱にしまって考えないようにしまっていて
その鍵も、どこかでほうりなげてしまった

あぁー!あぁー!
彼は泣き続けます

放り投げた心の鍵は、形を変えて、彼の前で輝いていました

泣いていた蝶は泣いている蝶にはなしかけます

きみを閉じ込めていたのは、きみだったんだね…

その言葉を聞いて、美しい蝶はもっと泣いてしまいました

きれいだ、こういうのがみたかった
きれいだ、こんなところに行きたかった

いこう!
いっしょにいこうよ!

蝶は、蝶の手を掴みます

きっとこれから、ちゃんとわらえるからね

とぎゅっとして、ふたりで飛び立ちます

慣れてない蝶を気づかいながらゆっくり
ゆっくり、自分たちのペースで空へと流れていきました

空には美しい蝶が、2人浮かんでいました