『愛する人』:母と娘の関係を丁寧に描いた映画 | amataの崖っぷち脚本道

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40過ぎで取り柄も仕事もない女の人生最後の挑戦。

こんにちはニコニコamataです。

 

私の好きな脚本家の方に清水友佳子さんが、ツイッターで紹介されていたのが、映画『愛する人』。

私はこの映画の存在さえも知らなかったので、早速ツタヤディスキャスでDVDを借りて観てましたよ〜ビックリマーク

 

観た感想を一言でいうと、母と娘の愛を繊細に描いた素晴らしい映画でした。

全女性(もちろん男性も)に観て欲しい映画です。

特に、娘とうまくいっていない、という女性には観て欲しいです。

娘は何を感じて、何に傷ついているのか、それが少し分かるかもしれません。

 

 

 

 

『愛する人』

監督:ロドリゴ・ガルシア

カレン:診療所で働く療法士 アネット・ベニング

エリザベス:カレンが14歳の時に産んで手放した娘 ナオミ・ワッツ

ポール:エリザエスの上司 サミュエル・エル・ジャクソン

パコ:カレンの同僚 ジミー・スミッツ

ルーシー:子供ができず養子を望んでいる女性 ケリー・ワシントン

 

 

〜〜 ネタバレがありますので、ご注意ください 〜〜

 

①女性に観て欲しい!母と娘の物語

普通の母と娘の話ではありません。

14歳と若くして妊娠したカレンが親の反対に会い、娘を手放してしまいます。

まあ、14歳の娘が妊娠したら、ほとんどの親がカレンの母親と同じ決断を下すでしょう。

でも、カレンにとってはこの出来事が今後の人生に影を落としてしまいます。

娘に会いたくて、気になって、娘のことばかり考えながら50を超えます。

一方、娘の方も親の愛に触れることが出来なかったため、歪んだ恋愛観を持ってしまう。

 

この映画にはいくつかの母娘が出てきますが、みんな微妙にお互いの思いがすれ違っているんですよねえーん

それは、母親が毒親とかそういうことではなく、娘を思うがゆえに自分の価値観を押し付けたりしてしまう。

難しいですよね、親子って。。

 

この映画がの素晴らしいのは、何と言ってもテーマです。

娘(子)を求める母親の気持ちが痛いほど伝わってきます。

 

 

②少ないセリフでストーリーや感情を見せる

セリフが少ない映画です。

しかし、女優さんや俳優さんの芝居や情景で、ストーリーは把握できます。

こういう映画を見ると、自分のシナリオのセリフの多さに反省してしまいますガーン

また、セリフがあっても、それは説明ゼリフではありません。

登場人物が心から発する言葉がそのままセリフとなっています。

もちろん、回想シーンなんかもありません。

さすがだよなあ。少ないセリフで回想シーンもなしで、前に進めていけるんだもんな。

そういう意味でも勉強になりましたラブ

 

 

③カレンを演じるアネット・ベニングの芝居がうまい

心に傷を負った、気難しくて繊細な女性、カレンをアネット・ベニングが見事に演じています。

いつも眉間にシワを寄せて、笑っているのにどこか寂しそう。

誰にも心を開かず、自己肯定感がとても低い。

そんな彼女が、パコに出会ってから、少しずつ変わっていきます。

また、家政婦とその娘にも影響を受けていきます。

この映画の構成としては、カレンの母親が亡くなったところが、プロットポイント1、いわゆる第1幕の終わりです。

ここから、彼女の人生が変化していくので。

ミッドポイントは、カレンの娘、エリザベスが妊娠するところ。

ここで、エイザベス自身が変化をしていき、カレンとエリザベスの人生が交わろうとする場面ですね。

少しずつ、カレンが変化していく様が、繊細に表現されていました!

 

 

個人的に好きなシーンは、養子をせっかくもらったルーシーが、あまりの子育ての過酷さに自分の母親に泣き言を言ったところ

 

「Be,Mother!(母になれ!」

 

と一喝されたところですね爆  笑

 

「子育てを何だと思ってるの?今まで子育てをしてきた母親があなただけだとでも思ってるの?」

というセリフの後に続く言葉です。

 

これは、私に言われてる言葉やニヤニヤ

 

と気を引き締めました。

 

母になるということ、子育てをするというこは、大きな責任と、覚悟と、愛が必要だということですね!