京響〈ワルシャワ〉+第九のオケ練,今日は〈ワルシャワ〉の語りの方が来られてオケ合わせということで,ヘブライ語指導の立場として見学に。

午後から伺ったら,第九第4楽章を大きく違いそうなところを部分的に必要なところだけされていたけど,やはり言葉を意識してのフレージングの指示。
とても興味深かったし,下野さんが言われていることは「16〜17世紀の宗教合唱曲を歌う会」の指導者である笠原さん(アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニ)や緋田さん(BCJ)が言われていることと何も変わらない!

 

そして〈ワルシャワ〉はまずはオケだけで,色々確認。
写真(少し加工)のように打楽器が多い。
マエストロが所々歌いながら,音楽はちゃんその通りになっていることを指示。
単に12音で書かれた無機質な音楽ではない。

 

休憩後,語りの宮本さんが入られてのリハ。
宮本さんの語りは,まるで俳優さんのように各言葉や場面が鮮明なこと!
ミニドラマを聴いているかのようにゾクゾクして,そして内容通り辛かった…。

収容所でのナチの軍曹の残酷な命令や言葉,殴られたりして意識がなかったり半死半生のユダヤ人の悲惨な状況の描写。
 

最もひどい歌詞だと思われるのがドイツ語で
「1分以内にオレが何人ガス室に送り込むかを知りてーんだ」(一部下野節)

とナチの軍曹が言う場面で,ここは今日の打ち合わせで本番の白眉の1つ。

 

その後の2度目の冷え冷えとした静かな「Abzählen!」ののち番号の声が段々速く大きく荒々しい音楽になっての突然スローダウンしての男声合唱での「シェマ・イスロエル」。

 

男声合唱の冒頭は,前半の"they all started to sing, as if prearranged, the old prayer they had neglected for so many years – the forgotten creed!"で,ホルンが短く先取りしているけど,記憶の中なので控えめだったものが,ここではしっかり。

 

「シェマ・イスロエル」の部分の3連符(ユダヤ人のモットー?)中心のオケは決して男声合唱を邪魔せず,男性合唱がしっかり子音を発音して母音も音色豊かに喋ればきちんと伝わるように書かれている。
だから,自分なりの明日のオケ合わせのポイントは,それを聴くことだろうか。

 

あと,最後のmeno mossoは合唱のガイド譜を作った時には入ってなかったけど,ここは倍遅いからちゃんと切り替えて丁寧に歌えるか,言葉の発音も十分間に合うから1つ1つ喋れるかどうか。

 

明日の合唱とオケの合わせは楽しみでもあるけど,〈ワルシャワ〉を高めていくためになお後少し何かできれば。

 

〜 お知らせ 〜

第14回 音楽文化論特別講義2019

「17世紀バロック音楽フェスタ」


 

日時:2019/1/13(日) 15時開演(14時半開場,17時終演予定)

場所:神山ホール大ホール 京都産業大学
   〒603-8555 京都市北区上賀茂本山   https://www.kyoto-su.ac.jp/access.html

   京都市営地下鉄国際会館駅または北大路駅より バス10〜15分


入場料:無料

出演:

ソプラノ:小田肇子
ヴァイオリン:上田浩之
テオルボ:竹内茂夫
ヴィオラ・ダ・ガンバ:安藤素子
オルガン:三島郁

 

プログラム(予定)

ファン・エイク 〈我が愛しのアマリッリ〉

フレスコバルディ カンツォン第1番

フォンタナ    ソナタ第3番

カステッロ    ソナタ第2巻第4番

カッチーニ   〈我が愛しのアマリッリ〉

モンテヴェルディ〈西風戻りて〉

モンテヴェルディ〈だからそれは本当なのか〉

 他

 

主催 竹内 茂夫(京都産業大学文化学部)atake@cc.kyoto-su.ac.jp

協力 京都産業大学文化学部「笛ゼミ」の皆さん