今日はBCJ神戸定期,喜ばしい曲ばかり。

前半は優人さんによるオルガン3曲とWas Gott tut, das ist wohlgetanだん。
オルガンはコラール前奏曲とはいえ,ペダルの妙技だった。
聴くのは楽しいけど,弾くのは大変。

Pachelbelのコラール・カンタータというか雅明さんは「コンツェルト」と言われていたけど,個人的にはオルガン曲も好きでちょっとだけ弾くし,宗教合唱曲は親しみやすくてしかも緻密に技巧的にできていて,もっと評価されても良いと思うし,今日の宗教コンチェルトともいうべき曲はそうだった。

ここで雅明さんのMC。
「今日は長調の曲ばかり」
とのこと。

続くティンパニとコルノ2本を加えた祝祭的なBWV100は,特に青木さんとランさんの独唱が素晴らしかった。
それにしても音形勝負の難しさが自分の課題だけに,つくづく難しさを感じる。
どんなに流麗でも言葉を語っているようでないとバロック音楽は,特にバッハは伝わりにくいことを自戒を込めて感じる。

休憩後のBWV180で亮さんヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ登場,通奏低音も担当で,演奏はさすが。
「再現」登場当時は面白い楽器だなと思ったけど,その古い撥弦楽器を弾くようになると,どうしても弦のことが気になって,あのサイズであの低音だと使える弦が巻き弦に決まってしまうから,そのあたりはどう考えたら良いんだろう。
リコーダーは,口元が微動だにしない山岡先生とやたら動くベーレン氏が好対照。

BWV140はやはり満を持したカンタータで,名曲名演。
特に合唱の迫力,独唱の皆さんの対話,夏美さんの短3度高いVnピッコロも素敵だった。
ただ、湿気が高くなって弦が切れた方も。
あと途中の有名なコラール,4人のユニゾンで発音のタイミングを揃えるのはやはり至難の業なんだろうか。
とはいえ,最後のコラールはアンコールでも演奏されて,本当に喜ばしかった。

終演後に話したメンバーの方もおっしゃっていたけど,神戸松蔭でBachのカンタータを演奏するのも聞くのも他に代えがたい幸いだということをつくづく感じた。