去年のクリスマス近辺に開催した「笛ゼミ演奏会」の時に来てくれて,その時にもレッスンをしたクラシック・ギターを弾く卒業生のゼミ生くんのレッスンをする。

コンクールで弾く曲をみてほしいということで持ってきたBachとVilla-Lobos。

色々アドバイスはしたけど,Bachはニ長調版ということで原曲の変ホ長調を移調してある。
これは大変危険で,ギターで弾きやすい調に移調してしまうと,バッハが意図していた途中の変イ長調,さらには変ハ長調になって2小節に主要動機ばかりが出てきて,最後に変ホ長調に戻るという流れが全く見えなくなる。

当時の♭4つの変イ長調がどれほど異様な調だったか,ましてや変ハ長調があり得ないとんでもない調だということを知ってもらうために,電子チェンバロでミーントーンにしてちょっと弾いてみる。
自分で弾いていても,ウルフ続出の何とも異様な和音!

だから,変イ長調でテーマが出てきても,それはすっきり明るい長調ではないはず。

そのあたりの箇所をどう弾いたら良いかわからないということだったので,これで1つの指針が得られた様子。

Villa-Lobosはエチュードとはいえ面白く出来ている。
ところが,現代譜の他にネットに自筆譜の一部があって,それを見てみると現代譜が反映していないことがいくつもある!

・3連符とグリッサンド
・音符の大きさの書き分け

これをやるだけできちんと音楽になる。

後輩くんのWeissは,まだ音源を聞いてその真似をしている感じで,楽譜そのものと向き合うプロセスが必要だけど,もう卒業学年。
せめて音源の影響が払拭できれば良いなぁと思う。
音がキレイだから良い方向で弾けるようになれば。


結構刺激を受けたので,帰宅してバロック・ギターと1日あいたリコーダーを。

バロック・ギターは最近のメニュー。
Bartolotti, Corbetta, de Murcia, de Visée,フランスの曲集。

昨晩あまり眠れなかったためか,弾きながら気持ち良くなって半分寝落ち(汗)。


リコーダーも最近のメニュー。
R. Rognoniの難しいディミニューション集,de Selmaをガナッシで,Pandolfi Mealliをエイクで,ガナッシ・テナーでいくつか要点。

やはり旋律楽器で管楽器を吹くと,違った発散ができる。

さて,明日のプチ本番もリコーダー。
忘れずに持っていかなくては。